悪魔のような人間

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……教えてくれ、
差名山伴外。







この世に、
神はいると思うか?

……。







答えろ。

この世に神はいるのか?

神はいない。

いるとすれば、
それは、人の頭の中だけに。






……そうだ、
神なんていない。

いてたまるものか。

……。






だが、悪魔はいる。

それは、
私が最も愛していたものを、
無慈悲に奪い去った人間だ。



犯人……


まだ、見つかってないんだってな。


答えろ、伴外。



どうしてあんな悪魔のような人間が存在する?


殺された私の息子は、
まだ5歳だった。

奴はその息子を連れ去り、
八つ裂きにしたんだぞ。

……。


私が生まれて初めて
心から愛おしく思ったもの、

それが、あの子だった。


あの子は、
私にとってのすべてだった。



それを奴は……。

……。


なぜだ?

なぜ、
何の罪もない私の息子は、
殺されなければ
ならなかった?


力が弱く、
完全に無抵抗な存在を
虫ケラみたいに踏み潰す、

そんな悪魔のような人間が、
どうして存在するんだ?




答えろ、
差名山伴外!!!

……。












数週間後、
山羊村山羊男の子供を殺害した犯人が
判明し、そして逮捕された。
















……私は、


どうしたらいい。

……






……私は、



何を憎めばいいのか、
わからなくなってしまった。



……






私は、

おまえに、





私の息子を殺した奴は、
悪魔のような人間だ、



と言った。



……








それ自体に、
間違いはなかった。


……






だが、


こうも言った。




何の罪もない、

力が弱く、完全に無抵抗な存在を虫ケラみたいに踏み潰す、

そんな悪魔のような人間が、どうして存在するんだ、




と。

……







私は、









あの男の事なんて、
完全に忘れていた。











もちろん、
あの男は、悪魔そのものだ、










だが、だが、私は……



























あの男のことを、
子供の頃、
ずっといじめていた。

特別
何かをしたわけでもない、
完全に
無抵抗だったあの男を、

私は毎日虫ケラのようにいたぶって遊んでいた。





私もまた、
悪魔のような人間
だったのだ。
















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