【4】国際政治(聴くだけ政治・経済)

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国際政治、つまり
日本を含めた世界の政治について勉強します。




国際社会の成立と安全保障


自国の安全を守る
安全保障には2つのやり方がある。

勢力均衡方式

自国陣営と相手国陣営の戦力を拮抗させることで戦争を防ごうという方法。
デメリットは互いに軍事力を拡大し続けなければならないし、バランスが崩れやすい。

集団安全保障方式

世界で連合を作り、戦争を始める国家が出たら、その国家を残りの国家全員で制裁しようというやり方。現代の世界では主にこの方法が採用されている。



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著書は、「勢力均衡方式」が間違っていて、その反省をもとに、「集団安全保障方式」ができた、としている(歴史的にもそうである)。・・・・しかしそもそも「集団安全保障方式」は(現在の国際連合で)成り立つのか???

答えは、成り立っていない。

理由は、国際連合
仕組みに欠陥があるからだ。
どこかダメなのか説明していこう。
集団安全保障方式=不可能、ではなく(もちろん、きわめて達成困難だが)、現状の国際連合では集団安全保障方式=不可能、ということだ。まず、国際連合についてみてみよう。

国際連合

国際連盟


勢力均衡方式で第一次世界大戦を防げなかった
反省によって生まれたのが、国際連盟だ。しかし、国際連盟には以下のような欠陥があり、第二次世界大戦を防げなかった。

全会一致制
全加盟国一致でないと動けなかった。
不十分な強制力
連盟の決定は勧告にとどまり、侵略国への制裁も軍事制裁ではなく、経済制裁に限られた。
大国の不参加
米国が不参加。


国際連合


目的:国際の平和及び安全を維持

安全保障理事会安保理
国連の主要機関。経済制裁だけでなく、軍事的措置も可能。国連加盟国を法的に拘束する。米、英、中国、ロシア、フランス常任理事国と、2年ごとに選出される非常任理事国10か国、計15か国で構成。議決は9理事国以上の賛成で決まるが、重要な事項は常任理事国(5か国)すべての賛成が必要である。

国際連盟よりはマシになったものの、まだ大きな穴が存在する。




国連加盟国

日本は、1956年に国際連合に加盟。


国際連合は機能しているが、平和維持機構としては機能していない


とゆことになる。

例えば、2022年の国際情勢で見ると、
常任理事国である
ロシアが拒否権を使うのは、国連の規則内での行動
だ。
しかし、ロシアvsウクライナが始まり、
平和は維持されていない。

つまり、国際連合(の設定)では
最初から(常任理事国が仕掛けた場合)
平和維持が出来ない設定になっていた
のだ。

国際連合がまともに機能している状態でも
常任理事国が戦争を始めたら】
集団安全保障方式は機能していないのだ。

結果として、世界の平和は守られていない。

2月25日には、前日24日に起きたロシアによるウクライナ侵攻についての会合が開かれた。侵攻しているロシアへの非難と即時撤退を求める米国などが作成した決議案が提出されたが、否決された。

引用:https://www.unic.or.jp/

問題は、大国による違法な行為に歯止めをかける術は、戦争の威嚇をするか戦争をする以外に方法がないということです。ウクライナは拒否権を持つ大国による侵略を受けています。しかし拒否権があるので国連の仕組みを使って対応することができません。そこで欧米諸国はウクライナに対する武器援助を継続しているのです。航空機、戦車、機関銃、火砲などを供給することによって戦争の拡大を防ぎつつ、ウクライナがロシアを打ち破ることを願っているのです。

引用:いま国連に何ができるか
(この記事に書かれている、ロシアを国連から追放するのが不可能だ、は的を得ている。答えは、常任理事国のロシアが追放(重要な決議)を否定するからだ)
重要な事項は常任理事国(5か国)すべての賛成が必要である。

(飽くまで西側からの視点では)常任理事国の中国やロシアが国際平和を乱そうとしている。常任理事国のロシアが戦争してて、中国が協力的。アメリカ、イギリス、フランスの西側諸国は制裁を行っているが、(ロシアが安保理を否決したため)集団フルボッコ(国連としての軍事行為)もできず(せいぜいウクライナを支援するのが関の山)、実戦で戦っているのはウクライナだけ。戦争は長引いている。

集団安全保障方式、というやつが、
これで機能しているといえるのだろうか?

いえないよね。




常任理事国であるロシアが戦争を起こした場合、それを止められていない(国連加盟国でフルボッコ→戦争を終わらせる、ができていない)。常任理事国であるロシアが安保理を否決するから、安保理は動けないのだ。ということは常任理事国である中国が(恐らくは台湾や日本に対して)同様の行動を起こした場合も、同様の結果となるだろう。中国が日本を攻撃した時に、国際連合は何もできない。


国際連合があるから、大国(常任理事国)の他国侵略はない」
が、ロシウク戦で崩れ去った。考えてみたら、崩れ去るも何も、最初からそこには規制が、何もない。常任理事国が拒否したら、安保理は何もできない。そのように最初から決まっていたのだ(「常任理事国は侵略戦争をしない」前提なら、国連で集団安全保障方式は可能(つまり不可能))。


国際連合は最初から穴がある制度


国際連合は、常任理事国(米、英、露、中、仏)の良心の上に成り立つ、と言うべきか。実際にこれらの国が、国益国際平和を天秤にかけた時、国益を選ぶのは、最初から分りきっていたのではないか。

なぜ常任理事国とかいう縛りが生まれたのか?

第2次大戦で日独伊などの枢軸国と戦った戦勝国が主導して作った組織です。安保理決議に不満な国が脱退したらまた同じことになりかねないため、米英仏ロ中が拒否権を独占する仕組みにしたのです。

引用:国連は無力か?
第二次大戦の戦勝国が常任理事国となったのだ。この時点で、集団安全保障方式の体を成していない。↑の記事にあるように、安保理の拒否権は度々発動されている。常任理事国は、ある種の特権階級であるため、常任理事国はその立場を手放す国連の決定を「拒否」する。

つまり
集団安全保障方式
人類は未だ達成できていないということになる。
結果、戦争が起きているのだ。

となると、結局、現実的に採用されるのは、
時代遅れと非難されるやもしれぬ、
勢力均衡方式
である。自国を守る軍事力を得るしかない。


国連軍
正式な国連軍はいまだ組織されたことがない。朝鮮戦争や湾岸戦争時に、国連軍のようなものがあったが、これは安保理の武力行使容認決議に基づいて各国が自発的に派遣したもの。

その他の主な国際組織
・NGO:非政府組織(平和のために活動するボランティア団体)
・UNESCO:国連教育科学文化機関(異なる文明、文化、国民の間の対話をもたらす条件を創り出すための活動)
ILO:国際労働機関(幅広い労働の問題に全力で取り組む国際機関)
・FAO:国際食糧農業機関(すべての人々が栄養ある安全な食べ物を手にいれ健康的な生活を送ることができる世界を目指しています)
WHO:世界保健機構(すべての人々の健康を増進し保護するため互いに他の国々と協力する目的)
IMF:国際通貨基金(生産性や雇用創出、健全な経済に必要不可欠となる金融の安定と国際通貨協力を促す経済政策を支援)


冷戦の歴史

(1945~1989)

アメリカを筆頭に西側諸国を資本主義・自由主義ソ連を筆頭に東側諸国を、社会主義・共産主義とした(これらのイデオロギーの定義は曖昧に見える)。

西側陣営:アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、西ドイツ、日本、韓国、南ベトナムなど
東側陣営:ソ連、チェコスロバキア、ポーランド、ルーマニア、ブルガリア、東ドイル、中国、北朝鮮、北ベトナムなど


冷戦初期(1945~1955)


1946年のイギリス首相チャーチルの鉄のカーテン演説(ソ連批判)で冷戦は開始した。1949年西側諸国は軍事同盟NATO(北太平洋条約機構)を結成した。対抗して東側諸国はWTO(ワルシャワ条約機構)を結成した。ドイツの首都ベルリンを巡って米ソが対立した。1950年には韓国と北朝鮮が朝鮮半島にて対立し、朝鮮戦争が始まった。米が韓国を、中国が北朝鮮を支援し、38度線で戦線が膠着。

冷戦中期(1955~1979)


1961年、東ドイツは西ドイツへの亡命を防ぐため、ベルリンの壁を構築(西ドイツ(米側)に亡命したがるってことは、西ドイツの方が、良い国だったワケですね)。1962年、キューバ危機。ソ連がキューバにミサイル基地を作り、米ソの緊張が急激に高まった(ソ連が基地撤去に応じた。アメリカ側としてはこんな位置(キューバ)にミサイル基地作られたら放っておけないわな)。1965年、ベトナム戦争が本格化。米が北ベトナムを爆撃。

冷戦後期(1979~1989)


1979年、ソ連がアフガニスタンに侵攻したことを米が非難し、再び対立が激化した。しかし1985年、ソ連共産党書記長に(外交を重視する)ゴルバチョフが就任し、対立は解消に向かう。1989年にはアフガニスタンからソ連が撤退した。同年、ベルリンの壁が崩壊(翌年ドイツ統一)。米ソ首脳によるマルタ会談にて冷戦が終結した。1991年、ソビエト連邦が消滅した。
米英日などの、自由主義陣営が勝利した。
【これは単純に、自由主義が社会主義より優れているということではない。この両者は、一長一短です。これを読まれている方はせめて、白か黒かで考えるのを止めて下さい】

国際紛争と日本

核兵器


原子爆弾は1945年アメリカで開発され、広島・長崎に投下された。1949年にはソ連も原爆を開発。1952年に米が水爆を開発。1953年にソ連が水爆を開発。こうした流れに対し、軍縮も高まり、部分的核実験禁止条約(地下以外での核実験を禁止する)や、核兵器不拡散条約(核を持っていない国が核を持つことを禁止する)
が決まった(後者は、すでに核を保有している国には効果がなく、不公平とされた)。

現在の核保有国と核弾頭の数



地域紛争


戦争までは行かぬ地域紛争も多く起こった。印パ紛争(1947年)、コソボ紛争(1998~1999年)、チェチェン紛争(1991年~)、スーダン内戦(1955年~)、ルワンダ内戦(1990~1994年)、ソマリア内戦(1991年~)、パレスチナ紛争(1948年~)、米同時多発テロ(2001年)→イラク戦争

第二次大戦後の日本の外交


米国とは、1951年、
サンフランシスコ平和条約
(日本国の)独立を回復すると同時に、
日米安全保障条約を結んだ。

ソ連(ロシア)とは、北方領土問題があり、
平和条約は結べないが、
1956年に日ソ共同宣言に調印し、
国交を回復した。

韓国とは、1965年に
日韓基本条約に調印し、国交を正常化した。

中国とは、1972年、
日中共同声明に調印し、国交を正常化した。
1978年には、日中平和友好条約に調印し、
中国との講和が正式に成立した(尖閣諸島問題がある)。

★勉強を終えての感想★


集団安全保障方式は、国際平和維持として確かに理想的だが、現状の国際連合ではそれが成されていない。ロシア、アメリカ、中国などの常任理事国が戦争を開始した場合、止めることが出来ないのだ。となれば、現実日本国の平和を守るために、勢力均衡方式、つまり日本国の経済力、それに伴い防衛力を上げる、を選ぶ・・・というのが現実的な選択肢、ではないだろうか。

また世界平和を考えるならば、現状の国連では不十分なので、国連の改革や解体からの作り直しが必要だ。

【集団安全保障方式を考えてみた】
世界平和連盟(仮名)
この連盟に加盟すれば、貿易面等で優遇措置が受けられる(何かしらの(それなりの)メリット(国益)がないと、どの国も加入しようと思わない)。
この連盟に批准した国家は、世界で侵略戦争をした国(加盟国、非加盟国問わず)が出た場合、自国の1/10の戦力(武器提供などでも可)を世界平和軍として提供し、「侵略された側」にその軍力を持たせる(連盟の軍事力によって侵略国を攻撃(フルボッコ)する)。



絶対王政→自由経済→福祉国家→現代社会(???)
生存権も、平和主義も、現状とても危ない。
義務教育で、学ぶべきことって何だろう?
過ぎたるは猶及ばざるが如し。




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