【1】民主政治の原理(聴くだけ政治・経済)

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今回から、2012年に発売された
(民主党政権が終わった頃に出た)
聴くだけ政治・経済という
Gakkenの本で、政治経済の基礎
学んでいきたいと思います。
著者は大塚哲さんというかたです。

著書は2014年に購入していますね(Amazon購入履歴みた)CDで、相当聴きこみました(いま2023年なので、9年間wちょこちょこ聴いてきて……今回本格的に基礎を勉強しようと思い、本とCD双方でガチりました)。本来はこれ受験生が買う本で、著書に書かれている内容は、中高の政経の教科書の内容と同じです(センター試験用の本なので)。

政治ってぶっちゃけ何なの?
政治はぶっちゃけ言うと
みんなモラルを守ってより良く生きましょうね」
である。政治の根源には法律があるのではなく、モラルがある。





国家成立の思想


最初に、近代国家を説明します。


近代国家とは、現代の国民に主権がある国民主権国家である。

(民主主義のwikiページは相当編集合戦が行われてそうですよね。理由は、少し考えれば解ります)
それ以前は、王権神授説(国王の権力を神の権力とする説(王家に都合のいい世界))による絶対王政(封建社会)の国家が一般的だった。
しかし、市民(ブルジョワ)、主に自由市場を望む商人などが、この不公平に反対し、社会契約説(国民の約束で社会が作られる説)による近代国家が作られた。
この際に、既存の王政を倒す、市民革命が起きた。

市民権には、イギリスの清教徒革命(1642~1649年)、イギリスの名誉革命(1688年)、アメリカ独立革命(1775~1783年)、フランス革命(1789年~1799年)などがある。

引用:聴くだけ政治・経済p12
こういうのって授業で習ってテスト勉強で覚えたから、(単なる暗記として)言葉だけは知ってるけど、なぜそれが起こったか?とかは全然知らないんですよね。学生時は興味がなかったから。異世界史を学んでいる気分だった。でもちゃんと今に繋がってますよね。今私たちがネットなんかで議論していることの多くが、既に過去、様々な国々で議論され立法化、権利化されていました。



社会契約説


社会契約説では、

①王や大統領などの為政者よりも約束(憲法や法律)が上にあり、その範囲内でしか権力を行使できない。
②政治は国民の総意(多数決)によって決められる(国民主権)。
③国民はみな、基本的人権を尊重される。

……がある。

これを見るとなんだか、現代では台頭して好き放題やっている新自由主義(市場原理主義)者や銭ゲバもこの時は((マネーを稼ぐ)能力とかガン無視の王政(血統主義)に)抑圧されてたンだな、って思います(市民革命が彼ら(商人)の反骨によってもたらされたのだから)。どんな体制であれ、行き過ぎるとガンになるのは歴史を見れば一目瞭然なんですが……人間って「適度なところ」で我慢できない生き物なんでしょうか。

ホッブズは性悪説で、ルソーは性善説で、自然権(人間本来のモラル)を捉えたうえで社会契約説を唱えた。性悪説と性善説に関しては、私はこう考える

国家の諸原則


社会の合意(社会契約)によって、国家が作られる。合意への意思表明(選挙など)を設け、多数派を法とし、一度決まった法を、国家権力(警察の暴力)によって国民に守らせる

選挙とは、支持している政治家や政党に投票する行為ではありません。必ず誰かには投票しなければいけない状況下で、その中で、一番マシな人に投票する行為なんです。

国家の三要素


国家の三要素として、
国民、領域、主権、がある。

国民は説明するまでもない。

領域とは、
領土、領海、領空からなる。
領海は、沿岸から12海里である。
(1海里=1,852メートル)
ちなみに24海里までを接続水域、200海里までを排他的経済水域という。


領空は、領土と領海の上空を指す(大気圏内も含む)。
以上から重視されるべきは、領土であり、領海、領空はこれに付随する。



主権とは、3つの意味があり、国家の統治権、国政の最終決定権、国家権力の最高独立性(国家権力が国内に於いて最高)、がある。

夜警国家と福祉国家


絶対王政の頃は、国家が国民に多大に干渉した。それを嫌った市民(特に商売人)が、絶対王政を倒し、自由市場を基礎とする夜警国家を築いた。政府の役割は国防と治安維持で、それ以外はすべて市場に委ねる、という国家で、市場原理主義とされ、(新自由主義思想が台頭した)現代のアメリカや日本に非常に近い。
しかし、問題が出てくる。自由市場では、商売によって勝ち負けが決まり、貧富の格差が大きくなってきた。そうなると、人々は国家に介入してもらう、社会的敗者を救済する福祉国家を求めた。

16~18世紀【絶対王政】
19世紀【夜警国家】
20世紀【福祉国家】
21世紀【福祉国家夜警国家、と市場原理主義に傾きつつある】

国家の分類
国家の始まり・起源から分類したのが王権神授説と社会契約説。国家の役割・機能から分類したのが、夜警国家と福祉国家。経済構造で分類したのが、資本主義国家と社会主義国家。

引用:聴くだけ政治・経済 p21

民主政治の基本原理


国家において最も強大な権力を持つのは、言うまでもなく、国家だ。軍隊や警察という暴力を行使できる国家が、国内では最大の力を持っている。これに好き勝手されるとバトロワの大東亜共和国みたいになって、役人ウハウハの全体主義・軍国主義系ディストピアになる。そのため、国家権力を如何に制限するかということに、皆は腐心した。

国家の中で国民の人権保障をするために、

【法の支配】
【立憲主義】
【権力分立】
【国民主権】


の、4つの手段が取られた。

法の支配


まず、とはモラルがあるもの、を指す。法ならどんなものでもいい、というわけではない。よって我々はに関してのモラルの審議を、裁判所からSNSまで国家の至る所で続けているのだ。
んで、法の支配とは、国の最高権力にを置くことで、為政者(国家を総攬(そうらん)するもの)の権力に規制をかけようとしたのである(法治主義、法治国家)。

重要なポイントは、法→決まり、ではなく、モラル→法→決まり、であることです。もし最初のモラルが無ければ、どんな(国民社会にとっての)悪法でも法になってしまうためです。そのモラルは国民の議論によって出来上がっていきます。

立憲主義


国家権力(大統領や総理大臣、国会議員など)を憲法によって制限し、行き過ぎた行為を止めようという考え方を、立憲主義という。



権力分立


国家の一機関に権力が集中すると、暴走する恐れがある為、権力を3つにわけ、互いが互いを監視し合うようにしよう、という試み。
有名なものに、立法権【国会】、執行権(行政権)【内閣】、裁判権(司法権)【裁判所】に分けた、三権分立がある。



国民主権


政治最終決定権が国民にあるとする考え方。

国民が政治の在り方を決めながら、自らの権利を侵害するような政治を行うはずがない

引用:聴くだけ政治・経済p27
そ、そうかな・・・^^;

日本教育は大衆の幸福を考えて作られていません。支配者側の幸福を考えて作られています。

なお、国民主権(要は国民による多数決議)が人権を侵害する場合もある。多数決で負けた少数派への侵害などがこれに当たる。このため、最も大事なのは人権であり、そもそもの目的人権で、その人権保障のための手段国民主権である、という原点に立ち戻って考えれば、「少数派だから人権を侵害されても仕方ない」ということにはならない

難しいね( இωஇ )

人権の歴史


自由権


最初に出てきた、絶対王政に苦しむ市民(商人)が、王政を革命で倒し勝ち取ったのが自由権自由に商売して自由に金儲けが出来る(財産を保有できる)、という意味での自由だ(もちろん、夜警としての国家は必要である。でなければ、商売よりも暴力を使って強奪した方が話が早くなるからだ(武器や腕力で勝負するのは野蛮だから止めましょう。せめて数字で勝負しましょう、ってことですね))。


参政権


国民が政治に参加する権利
王政が倒れた当初は、市民階級(一定以上裕福な層)にしか参政権はなかったが、不平等であったため、のちに労働者階級まで広がった。

市民階級=ブルジョワ
労働階級=プロレタリア


長い歴史を経て国民であれば誰でも、参政権が持てるようになった。……しかし我が国には、この先人が艱難辛苦の末獲得した権利を持ちながら、敢えて行使しない(放棄する)人たちがいる。少なくとも日本国民の半分が、そうだ(私は選挙権を得た20歳以降、労働で特別病んでいた時期を除き、選挙にはほぼすべて参加しています)。


選挙とは、支持している政治家や政党に投票する行為ではありません。必ず誰かには投票しなければいけない状況下で、その中で、一番マシな人に投票する行為なんです。

社会権

(弱者に重要!)

絶対王政から自由(自由権)になり、
政治参加の参政権も与えられた。

しかし、これでもまだ、社会としては不公平があった。

それは、自由競争社会における、格差拡大と、急激な景気変動である。
(現代社会でもまだ解決できていない(てゆーか大)問題がこの、社会権である)

市場原理主義を基盤とする資本主義社会では、景気の変動によって、失業などの問題が出る。それは個人の責任ではなく、個人の能力では(多くの人が)対応しきれない社会の問題、とされた。
これらの自由市場ゆえに生まれる問題は、個人(企業や家計)では対処しきれないため【社会の変動には、一部の優秀な人を除く多くの人が自力で対処することが困難である】、国家(政府)に対処してもらう。これが福祉国家の考え方であり、これ(人間らしく生活する権利)を求めることを、社会権という。社会権は、必然的に、社会的弱者が行使する(唱える)ことが多くなる(自由競争で負けるのは弱者なので)。弱者が社会権を訴えることは(強者が自分の財産(利権)を守ろうとする行為と同じで)、自然なのだ。
現代社会では、弱者が権利を主張することよりも、強者が利権を主張することの方が、社会に受け入れられやすい。その理由は、現代社会が新自由主義であるからだ。
※一部の優秀な人ではなく、大多数の人に焦点を当てるのが政治

要するに、先ほど私が語った「適度なところ」への着地を目指したのだ。


世界初の社会権を保障した憲法、ワイマール憲法。「すべての者に人間たるに値する生活を保障する」と宣言している。←ちなみに、これを実現するために必要なのは「お金」ではなく「供給」です。ワイマール憲法制定当時は、実質無理だったんじゃないでしょうか。理由は、社会にそこまでの供給能力がないから。いっぽう現在は、「すべての者に人間たるに値する生活を保障する」は物理的には十分可能だと思います。つまり世界に住む人全員の最低限度の生活を満たす供給はある、ってことです。ただ飽くまで物理的には可能、なのであって……
人はなぜ生きるのか?は難しい命題です。しかし、人はなぜ働くのか?は簡単で、もう既に完全解答できます。

第一条
 すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。


世界の政治制度


権力分立制
 ①議院内閣制(イギリス、日本)
 ②大統領制(アメリカ)
権力集中制(中国)

アメリカの政治制度


モンテスキュー型の典型的な、三権分立政治を行う。



(三権分立)
行政権【大統領】
立法権【連邦議会(上院・下院)】
司法権【裁判所】

政党は、民主党と共和党の二大政党制。


イギリスの政治制度


国王はいるが、日本の天皇とよく似ていて実質的な権限はない。
不文憲法、といわれる、マグナ=カルタ、歴史的文書、習慣法、裁判所の判例などが憲法の役割を果たす。

(三権分立)
行政権【内閣】
立法権【貴族院(上院)、庶民院(下院)】
司法権【裁判所】

政党は、保守党と労働党の二大政党制。


中国の政治制度


中国は社会主義国だが、経済市場は自由な市場原理主義である。


中国共産党は、労働者階級(プロレタリア)を代表し、国家を支配する一党独裁制
立法機関である、全国民代表大会は一院制の議会である。
三権分立はされていない(私見では、中国は、共産党が支配する、国家先導型資本主義と考えられる)。


★勉強を終えての感想★


絶対王政を不服に思った商人たちは、自由経済社会を作った(大衆も、絶対王政を不服に思っていたはずだが……?)。しかし今度はその自由経済が、一部の勝ち組のみに有利過ぎる社会になったため、大衆側から不満が出て、福祉国家社会権)の思想が取り入れられた。しかし、現代は1990年頃から新自由主義(つまり自由経済)が台頭し(英のサッチャー、米のレーガンらによる政策が起点とされる)、2023年今に至るまで世界の主導権を握ったままである。
自由経済(新自由主義、市場原理主義、夜警国家)では、上位1%(優秀な人、またはマネーゲーム(集金ゲーム)に強い人)が圧倒的に幸せになり、99%の我々一般大衆が「けっこうシンドイ」か「地獄」状態になる。我々は、この社会にNOを言うべきではないのか?と私は思う。民主政治を行う、民主主義国家の国民として( இωஇ )。
1%の富裕層を攻撃する、というのではなく、そうなってしまう社会の仕組みを変えていこう、という主張です。もっとも、その途中で利権を防衛したい層と敵対してしまうことはあるかもしれませんが。

人は他人の命よりも、自分や自分の愛する者のささやかな幸せを優先する。
正しいことをする、んじゃない。正しいことにする、んだ。
生存権も、平和主義も、現状とても危ない。




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