我が国、
日本の政治制度
日本の選挙制度を学んでいきます。
国家の権力を三権分立によって、
行政権=内閣(与党内議会)
裁判権=裁判所
に分けます。この他に、国家の(事実上)下部組織として地方の行政を行う、地方自治があります。
国会(立法)
国会は
法律を作ったり変えたり
廃止したりするところです。
国会議員の特権として、
②不逮捕特権:会期中逮捕されない(例外アリ)
③免責特権:院内での発言や評決を、院外で民事・刑事法的責任を問われない
がある。
②は、犯罪行為をでっち上げ、犯罪者として敵対議員を政界から追放するやり方を、させないためにある。③は自由な議論を可能にするためである。
国会の権限
国会は二院制であり、
衆議院と参議院がある。
それぞれ、議員定数や任期に違いがある。
任期が短く、解散制度のある衆議院には、優越権があり、優先的に法律や予算を議決できる。ほか、内閣不信任決議。
内閣(行政)
内閣は、
国会で作った法律や予算に基づいて、
政治を行うところです。
・総理大臣は国会議員から(国会が)指名する(67条)
・国務大臣も大半は国会議員から(総理が)選出する(68条)
・内閣は国会に連帯して責任を負う(66条)
・衆議院は内閣を不信任できる(69条)
=内閣不信任案
・内閣は衆議院を解散できる(7、69条)
内閣の方針は全国務大臣の全員一致で成される(ただし、総理は国務大臣を罷免できる)。
・国務大臣を自由に任命・罷免できる(68条)
【解りやすく言うと、総理大臣と国務大臣の関係は、社長と部長、だ】
・議案を国会に提出し、行政各部を指揮監督する(72条)
・総理大臣の同意なしには、国務大臣は訴追(起訴)されない(75条)
・法律、政令への署名連署権(74条)
法律、政令は総理大臣の署名が必要、ということ
・法律の執行(73条)
・条約の締結(73条)
・予算の作成(73条)
・政令の制定(73条)
・天皇の国事行為に対する助言と承認(3、7条)
・最高裁判所長官の指名(6条)
・それ以外の裁判官の任命(79,80条)
裁判所(司法)
日本国憲法により、司法権は独立し、
裁判所は他の権力(国会・内閣)から
独立した存在となる。
己の良心、憲法、法律にのみ従う。
裁判官は、
・行政機関による懲戒処分の禁止(78条)
・定期・相当額の報酬の保障(79条)
・在任中の報酬減額の禁止(79条)
が決められている(裁判所内部、例えば上席裁判官(上官)からの干渉も禁止)。
【裁判所や裁判官(個人)の独立が危ぶまれる事件が、過去に起きた】
国会による弾劾裁判で罷免となった場合を除く。このほか、最高裁判所裁判官の国民審査がある(が、実質この制度は形骸化しており、過去国民審査で罷免された裁判官はいない(記事執筆時2023年))
裁判制度
最高裁判所>高等裁判所>地方裁判所・家庭裁判所>簡易裁判所、とあり、三審制により、判決が不服であれば3回まで上訴できる。
個人や会社など、私人間の権利や義務を巡る裁判。
・刑事裁判
犯罪行為を裁く裁判。検察官が裁判所に起訴する。
裁判所は、違憲法令審査権(違憲立法審査権)を有し、法律・命令・規則・処分が日本憲法に違反しないかどうかを審査する。
(地方自治の項目は、重要度が(国家に比べて)低いと判断したためカットしました。国家と地方は主従の関係になっており、国家が地方を変えることは容易ですが、逆は極めて難しいためです)
選挙
小選挙区比例代表並立制。
小選挙区は得票1位一人が当選する。
比例代表は政治家個人ではなく政党に投票する。
比例代表は拘束名簿式比例代表制で、
政党が提出した名簿の上から順に当選する
(当選させたい人の名前を上にする)。
小選挙区と比例代表区は重複立候補が可能。小選挙区で落選しても比例で復活もあり得る。
現行の参議院議員選挙制度
○ 概要
定数 248人
任期 6年(3年ごとに半数124人改選)
選挙権 満18歳以上の日本国籍を有する者
被選挙権 満30歳以上の日本国籍を有する者
選挙の構成 参議院議員選挙は、選挙区選出議員選挙(選挙区選挙)及び比例代表選出議員選挙(比例代表選挙)から構成される。
・選挙区選挙 :定数 148人(3年ごとに半数74人改選)
・比例代表選挙:定数 100人(3年ごとに半数50人改選)
引用:参議院選挙制度の変遷
選挙には主な問題として、
一票の価値格差問題がある。
政党と圧力団体
政党
政党は、政権獲得を
目的とする政治集団。
日本の政党一覧
政党制の形態は次のようなものがある。
①一党制
社会主義国が共産党の一党独裁となる。
【該当国:キューバ、ベトナム、ラオス(中国も実質的には一党独裁)】
②二大政党制
巨大政党が2つある国家。
保守党・労働党のイギリス、民主党・共和党のアメリカなど。2つしか政党がないため国民が政治を理解しやすい反面、少数派の意見を汲む政党がない。
【該当国:アメリカ、イギリス】
③多党制
多くの政党がある国家。
多様な民意を反映できる反面、連立政権(例えば自民党+公明党)が起こりやすく、不安定になりやすい(違う党が一緒になるので)。
【該当国:日本、フランス、ドイツ】
圧力団体
政治に圧力をかけて、
利益(お金)を得ることを
目的とする団体。
代表的なものに、
経団連、農協、労組総連合会、日本医師会、などがある。
良い面は圧力団体に属する国民の民意が政治に伝わりやすくなる。悪い面は強力な圧力団体と政治(議員・政党)が癒着すると、特定の団体にのみ有利な政治がなされる(現代日本では、経団連が最も力を持ち、経団連有利な政治が成されていると考えられる)。この行為をレントシーキングといい、これを行う議員をロビイスト、日本では族議員という。圧力団体側からは政治献金や組織票が、政治側からは団体が(お金の面で)有利になる社会環境づくりが、winwinとして交換される。
官民が癒着し、圧力団体側の豊富な資金で政治を動かす金権政治が行われたり、政治は様々な利権も生み出す為、利権政治になったりする。
また、大きな宗教は票田として大きな力を持つ。教祖・教義が正しいと信者は教えられているため、教団の支持政党に信者は迷いもなく投票する。信者の数がそのまま票になるのだ。
中間組織が存在しない状態では、国民は個人単位でバラバラに自己利益を考える。この場合、敵対する中間組織に負けやすい。中間組織があれば、団体として利に反する政治行為に対抗できるが、個人の場合、非常に脆弱だ。個人は様々な価値観(プロパガンダやマーケティング)に影響され、自身の人生の浮き沈みにも影響される・・・が、定期的に会合を開き、中枢が組織化している中間組織にはそれがない。
一方の中間組織からしたら、敵対する(利に反する)思想に中間組織が存在せず、個人でバラバラに存在してくれた方が、圧倒的にやりやすい(勝ちやすい)のだ。
個人主義が広まった昨今では、中間組織は単なる中間搾取機関のように捉えられるが、現実、人は団結し集団になれば強い。個人でバラバラになっていたら弱い。個々でも強い大企業が、経団連として「団結」しているのは、なぜか? それは集団になって団結すれば、更に強くなるからだ。
人間社会(特に民主主義社会)の法則として、数が集まれば「それ」は強くなる。「それ」の中身がどんなものであるか、は関係ない。
行政国家の課題
福祉国家では三権(立法・行政・司法)のうちの1つ、行政の役割が増え(行政国家)、その役割のまとめ役(一番上)が官僚である。政治家よりも行政に精通しているため、政治家に対しての大きな影響力を持つ(行政に精通していなければ、行政に対応した法律を作れないとされる)。行政部で働く官僚は、許可・認可・補助金交付など幅広い裁量権を持つ。官僚の力が強くなりすぎると、国民を代表する国会を、国民ではなく官僚が動かすことになり、行政の民主化が損なわれ、国民主権が形骸化する。政治家・官僚・企業の癒着原因にもなり、政治は腐敗する。
対策として、1993年に行政手続法が制定。行政運営における公正の確保と透明性が図られる。1999年には国家公務員倫理法が制定。国家公務員への接待や贈与が規制された。2000年、あっせん利得処罰法が制定。政治家が官僚に働きかけ、見返りに報酬を得ることが禁止された。
★勉強を終えての感想★
憲法や法律で決まっていても、国民の殆どは、例えば「最高裁判所裁判官の国民審査」のように認知してない(あっても衆議院選挙のついで感で適当に書く(ワイがそうだった。ていうか今後も最高裁裁判官の適正までいちいち調べないと思います^^;)。憲法や法は、教育(学校教育)で暗記科目としてではなく、認識(国民のいち権利)として教えておくべきだと考えます。
(いち国民としての生存の権利を主張できる)
2.労働基本権(社会権)
(いち労働者としての権利を主張できる)
3.参政権
(いち国民として社会=政治に参加できる)
は、国数理社英の五科目より優先して教育されることだと感じる。
日本現代社会、政治、選挙についての
私の意見は
この2つの記事に書いている。