黒田総裁退任記者会見を見て

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2023年4月7日、
日本銀行(日本の中央銀行)の総裁である
黒田東彦総裁が退任しました。

その会見をYouTubeで見て
日銀のHPより文字起こしを引用し、
内容を見ていきたいと思います。

大規模緩和10年「適切」/日銀・黒田総裁退任会見(2023年4月7日)【ノーカット】





そもそも私が気になった点


黒田総裁は「金融政策」を理解している。

金融政策=金利操作、日銀当座預金の増減

財政政策=企業補助金、国民給付金、公共事業、減税(増税)などなど、言ってみれば、【国民の財布を直接操作】できる


で、金融政策では、デフレ脱却ができないことも理解している。なぜなら、金利を下げても、日銀当座預金を増やしても、需要がない社会では民間がお金を借りないからだ。

黒田総裁退任記者会見


以下


より引用

して、
私の意見を述べていく。
文字強調は私。
(重要だと思う部分を強調しました)

緑枠で、
私の感想も挟んでいます。


――2023年4月7日(金)午後3時半から約60分

(問)
幹事社からの質問は二問です。黒田総裁、10 年間お疲れ様でした。質問の一点目は、10 年間の振り返りです。大規模な金融緩和を続けてきたことによる成果について、また、残った課題について、ご自身でどのように評価しているか教えて頂けますでしょうか。二点目は、後任の総裁に就任する植田和男さんに期待することです。黒田さんの体制で残った課題への対応も含めて、新体制に期待すること、託したいことを教えて頂けますでしょうか。
(答)
まず、第一の点につきまして、10 年前のわが国経済を振り返りますと、1998 年から2012 年までの約 15 年の長きにわたるデフレに直面しておりました。こうした状況を踏まえ、日本銀行は 2013 年に量的・質的金融緩和を導入しました。大規模な金融緩和は、政府の様々な施策とも相まって、経済・物価の押し上げ効果をしっかりと発揮しており、わが国は物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっております。また、経済の改善は、労働需給のタイト化をもたらし、女性や高齢者を中心に 400 万人を超える雇用の増加がみられたほか、若年層の雇用環境も改善しました。また、ベアが復活し、雇用者報酬も増加しました。この間、経済は様々なショックに直面し、特に 2020 年春以降は、感染症の影響への対応が大きな課題となりましたが、日本銀行は機動的な政策運営により企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めてまいりました。政策には常に効果と副作用があり、量的・質的金融緩和も例外ではありません。この点、日本銀行は 2016 年の総括的検証や 2021年の点検などを踏まえて、様々な工夫を凝らし、その時々の経済・物価・金融情勢に応じて、副作用に対処しつつ、効果的かつ持続的な金融緩和を継続してきたと考えております。長きにわたるデフレの経験から、賃金や物価が上がらないことを前提とした考え方や慣行、いわゆるノルムが根強く残っていたことが影響し、2%の物価安定の目標の持続的・安定的な実現までは至らなかった点は残念であります。ただ、ここにきて、女性や高齢者の労働参加率は相応に高くなり、追加的な労働供給が徐々に難しくなる中で、労働需給の面では、賃金が上がりやすい状況になりつつあります。また、賃金や物価が上がらないというノルムに関しても、物価上昇を賃金に反映させる動きが広がりをみせております。今年の春の労使交渉について、現時点の企業の回答状況をみますと、ベアが 2%を上回るなど、30 年ぶりの高水準となっております。物価安定の目標の持続的・安定的な実現に向けて着実に歩みを進めたということは言えると思います。このように、大規模な金融緩和は様々な効果を上げてきており、これまでの政策運営は適切なものであるというふうに考えております。
次に植田新総裁、氷見野、内田両副総裁におかれましては、経済政策運営や実務に関する豊富な知見を生かして、組織をまとめ、日本銀行の使命である物価の安定と金融システムの安定に向けて手腕を発揮して頂くことを期待しております。金融政策面では、植田新総裁は所信において、積年の課題であった物価安定の達成というミッションの総仕上げを行う 5 年間としたい、と述べられたものと承知しております。この点、現時点では 2%の物価安定の目標の持続的・安定的な実現までは至っておらず、課題として残っております。もっとも、先に言い述べた通り、労働需給の面では、賃金が上がりやすい状況になりつつあります。また、ノルムに関しても、今年の春季労使交渉においては、労使双方からこれまでとは違う声も聞かれております。先行きの経済・物価動向を巡って様々な不確実性があるのは事実でありますけれども、賃金・物価が上がらないというノルムは徐々に変化していき、賃金の上昇を伴うかたちで物価安定の目標が持続的・安定的に実現することを期待しております。

わが国は物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっているんだ。



(問)
二問お尋ねします。一つ目は金融緩和の教訓です。先ほど総裁、金融政策は適切であったというお話でしたけれども、異例の金融政策を相次いで打ち出した日銀の 10年の歴史というのは、世界の金融政策の歴史の中でも異例の 10 年であったと思います。日銀の金融政策については、今後、更なる研究がされていくと思いますが、そうした観点から、現時点でご紹介頂ける 10 年の金融緩和の教訓がありましたらお聞かせください。
二つ目は、シンクタンクとしての日銀の機能についてです。先ほどもそうでしたが、総裁は、この 10 年物価目標達成のためにご尽力されてきたと思います。この会見の場でも、度々目標達成のために金融緩和の意義や、維持を強調する発言を繰り返されてきました。ただそうした姿勢が、日銀内で緩和に慎重だったり、反対したりする意見を出しにくい環境を作ったのではないかという指摘もあります。この点について総裁の見解をお聞かせください。
(答)
まず二番目の点で申しますと、私が何か言ったことによっていろんな意見が出にくくなったということは全くありませんでした。様々な意見が出て、様々な議論を行い、そして金融政策決定会合において、そのときそのときの経済・物価・金融情勢に合わせて最適の政策を選択するということは、日本銀行のスタッフ全体がサポートしてくれるし、そのもとでこそ、こういった金融政策が行われ、先ほど申し上げたように経済・物価の押し上げ効果を着実に発揮し、経済全体を大きく改善したということに変わりはないと思います。それから、前の第一の点につきましては、これは一般的に、日本銀行だけでなく実は欧米の中央銀行も、リーマンショック以降、いわゆる量的緩和、それからその場合も短期国債ではなく長期国債、更には市場の担保付証券とか様々な資産を購入するということを通じて、これまでのいわゆる政策金利とそれから短期証券のオペというかたちの、伝統的な金融政策ということでない政策を、欧米の中央銀行もいわば10年以上やってきましたし、日本銀行も10年以上やってきたわけでありまして、そういう意味で、いわゆる非伝統的金融政策というものについて、理論的・実証的な評価を行うということは、これから行われることだと思います。ただ二つ申し上げられるのは、一つは、要するに経済が停滞しあるいは日本の場合は 15 年続きのデフレというもとで、いわばゼロ金利制約、政策金利をどんどん大きく下げていくということはできないと。マイナス金利を入れましたけどもマイナス 0.1%ですし、欧州の場合もマイナス 0.5[%]から 0.75[%]ぐらいまではしましたけども、到底それでは足らなくて量的緩和もしたわけでして、つまりこの非伝統的金融政策というものは、伝統的金融政策ではもう対応できなくなった、そういった不況というか、あるいは日本の場合はデフレ、そういうものに対して行ったと。その面では効果を発揮して、日本の場合はデフレでない状況になったし、欧米の場合も長く続いた、いわゆるグローバル・フィナンシャル・クライシスというものを克服したという面では、十分、非伝統的金融政策の効果はあったと。これは、ほとんどの世界中の経済学者が認めているところであり、そういう政策をやってきた欧米の中央銀行の総裁たちも認めていると。ただ、先ほど申し上げたように、伝統的な政策ができなくなった状況であったことであり、伝統的な政策についてのいろいろな分析というのはもういわば 100 年以上あるわけですけども、この非伝統的な金融政策というのは欧米の場合でも十数年、日本の場合は 2001 年に量的緩和を入れて以来 20 年ぐらいということですので、今後、十分理論的な分析は行われるであろうと思っております。

伝統的な政策ができなくなった状況であった、と黒田総裁は言っていますが、そもそも政府がデフレ対応をせず、デフレ下でインフレ対応をしているという状況まず間違っていて、その狂った状況下では伝統的な対策がどうのこうのという次元の話ではないんじゃないか?と思います。

(問)
二つお伺いします。一つ目は、先ほど物価目標に関しまして、今回の春闘を受けて、実現に向けて着実に歩みを進めているとおっしゃいましたけれども、その春闘の結果で、その物価目標実現の時期、これが早まりそうな実感とかそういう期待とかこういうのを持てましたでしょうか。二点目は、先日アメリカの地方銀行の破綻に関してですけれども、これ特殊な事例だと言われていますけれども、アメリカの利上げ、急速に進んだことで、保有債券の価値が下落したということも一因になったと言われています。日銀の出口戦略に関しては、時期尚早ということだと思うんですけれども、その世界的な金融緩和からの、この転換していく場面で今回こういうことが起きたという事象ですけれども、日銀の今後の政策運営ですとかにどういう示唆を与えているというふうにお考えか、この二点お願いします。
(答)
足元の春闘はずっと展開していますけど、全体の最終結果は夏までかからないと分かりませんが、これまでのところはきわめて順調であり、賃上げを合意した率も3%台、定期昇給分を除いたいわゆるベアでも 2%をかなり超えているということで、先ほど申し上げたように 30 年ぶりの賃金の上昇と。それからもちろん今年限りではなく、やはり来年も引き続き順調な賃上げ交渉が進むということが、やはり 2%の物価安定目標を持続的・安定的に達成するためには重要だと思っております。そういう意味で、そういった状況が近づいたというふうには評価しております。それは先ほど申し上げたように二つあって、一つはこれ以上の労働供給の余地が少なくなって、労働需給が非常にタイトになっていると。そのもとで景気回復が続いているわけですので、当然この賃金の上昇が起こりやすい状況になっていること。それからやはりいわゆるノルムが完全になくなったとまでは言いませんけども、明らかに変容しつつあると。この二つのことがありますので、今年の賃上げ、そして来年の賃上げということを通じて、賃金の上昇に支えられた 2%の安定的・持続的な物価上昇は考えられると思っております。ただ具体的なその時期等についてやはり欧米の金融[政策]当局も常にデータ・ディペンデントと言っていますけど、やっぱりよくデータをみていく必要があるだろうと思っております。それから二番目について、ご承知のようにわが国の金融機関はきわめて充実した資本基盤と十分な流動性を備えており、金利が相応に上昇するといったストレスに対しても十分な耐性を備えているとみております。これは別に日本銀行だけでなく、金融庁も常にそういったことをみて把握しておりますので、そういったことを踏まえますと、将来の出口局面において、もちろん経済・物価情勢に応じた適切な政策運営を行いますので、金融システムの安定を確保しながら出口戦略を進めることは十分可能であるとみております。

日銀がどれくらいのことをできるのか(そしてできないこと(財政政策)はなにか。どれくらいの力があるのか。それを黒田総裁は知ってるって感じですね。日銀は金融政策をする組織です。

(問)
総裁、本当にどうもお疲れ様でした。質問は二点あります。この 10 年間の金融緩和で、お話ありましたように、雇用が伸びて株高にもつながっています。ただ一方では、物価 2%目標については、任期中の達成というのは道半ばになってしまい、潜在成長率も伸び悩んでいるといった状況があります。一点目は、なぜ物価安定目標が達成できず、更に成長が伸び悩んだのか、実際何が一番大きい要因だったとお考えでしょうか。二点目に関しては、政府との共同声明で、政府による役割も書かれていてですね、成長に向けた取り組みをする必要があったわけですが、この政府による取り組みが果たして十分だったかどうか、この点についてどうお考えでしょうか。
(答)
まず第一点につきましては、先ほど来申し上げているように、15 年続きのデフレの中で、いわゆる物価・賃金が上がらないという慣行、考え方、ノルムというものが根強くあったということが非常に大きかったというふうに考えておりますが、今やそれも変容しつつあるということで、2%の物価安定目標を安定的・持続的に達成できる時期が近づいているというふうに思っております。潜在成長率については、ご承知のように、長期の潜在成長率というものは、基本的には人口の増加率と技術進歩率というもので普通は説明されるわけですね。人口の増加率はずっとマイナスで、これは続いていまして、潜在成長率が一時上がったものの、その後若干下がって 15年のデフレ期とそれほど変わってないってことは事実なんですけども、これは現在のような、この過去 10 年のような金融緩和を続けなければ、総括的検証その他でも示されているように、デフレが続いて、実際の成長率も更に低下し、そのもとで投資も十分行われず、当然技術進歩ももっと低かったということで、現在のような潜在成長率よりもっと下がっていたと思われますので、現在の金融政策が潜在成長率を上げられなかったということはなくて、むしろもっと下がるものが、より下がらなくて済んだということであると。ただ、いずれにせよ、長期的な潜在成長率というのは、短期的な金融政策による需要の支えというものとはちょっと違った次元で、さっき申し上げたような、長期的に設備投資とか技術投資がどのくらい行われるかということに関係し、それに金融政策も影響ありますけれども、直接的な影響というものはむしろそのときそのときの成長率には影響しますけど、中長期的な潜在成長率というのは、もうちょっと次元の違う話だと思っています。ただ、それにも影響があったことは事実で、むしろプラスの影響があったというふうにみております。それから共同声明につきましては、常に申し上げている通り、あくまでも政府と日本銀行が共同声明に沿ってそれぞれの分担をすると。日本銀行は、金融政策の緩和を通じて 2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現すると。政府は、財政政策については機動的な財政運営を行い、中長期的に財政の持続可能性を高める努力をすると。そしてもう一つの政府の役割としては、様々な規制緩和その他を通じて、いわゆる成長戦略というのでしょうか、潜在成長率を上げていく努力をするということだったと思います。いずれも政府も日本銀行もそれぞれ必要な政策は実施してきたわけですし、そのもとで経済・物価は着実に改善して、デフレでない状況を実現できたという意味では、共同声明の考え方は適切であったと思いますけれども、将来のことは私から申し上げるのは適切ではないと思います。

2%の物価安定目標を安定的・持続的に達成できる時期が近づいている、つっても、コスト高要因は加味しちゃだめじゃ?

(問)
物価の件で一点お伺いしたいんですけども、以前から 23 年度の半ばにかけて 2%を下回るという見方をずっとされていると思うんですけど、足元言われました、物価が上がって、それが賃金に影響して、今度、賃金が物価に影響するセカンドラウンド・エフェクトも期待できるかと思うんですけど、また、サービス価格も最近結構上がっているようなんですけど、想定したように物価が下がっていかないリスクを現状ではどのようにご覧になっているかお伺いしたいんです。
(答)
この点は、足元の様々なデータをみましても、考え方は変わっておりません。一時4.2%に達した物価上昇率も今、3.1[%]か何かになっていますし、更に下がっていくと思います。これは、そもそも 3~4%の物価上昇率になったのは、大半の原因が、輸入物価の上昇が価格転嫁で消費者物価の上昇になってきたわけですが、輸入物価
の上昇率は、もうどんどん落ちていまして、その面からいって消費者物価の上昇率を引き下げる方向に向かうと。更に、政府が導入した大規模なエネルギー補助金というものが、消費者物価の引き下げに効いてくるということで、今年度、2023 年度の半ば頃までには 2%を割るという見込み、これは今も変わっておりません。その後、後半で若干リバウンドするのではないかとみているのは、この賃金の上昇率が、ベアだけでも 2%台、そして定昇も入れると 3%台という 30 年ぶりの上昇になっていますので、これは当然、賃金が上がったもののコスト転嫁というかたちで物価にも影響してまいりますので、今年度の後半からまたリバウンドしていくと。そしてその後については、先ほど申し上げたように 2024 年度の賃金上昇というものが、今のところは比較的順調に上昇するというふうにみていますけど、それはまだ来年の話ですので、来年の状況をみてみないとわからないと思いますけれども。そういう意味では、いったん 2%を割るということは、ほぼ確実だと思いますけれども、それが、恒常的に 2%を割るような状況にまた戻ってしまうというものではないというふうに考えております。

補助金、っていうのは政府の財政政策ですね。


(問)
10 年間の激務、お疲れ様でございました。前回の決定会合後の会見以降ですね、世界経済の情勢というのが大きく変わっていますので、現状認識についてお伺いをまずしたいんですが、欧米では利上げ局面にあるということもありまして、銀行の破綻などの信用不安も大きい、景気悪化懸念も現実味を帯びてきている状況です。この世界経済の現状認識についてお伺いしたいのと、あと先ほど日本の金融機関についてのお話もありましたが、日本へのこの信用不安の波及、今のところなさそうですが、今回の局面に日本の金融緩和政策が作用している面もあるというふうにみていらっしゃるかどうか、ここを教えて頂きたいです。あともう一点、総裁、退任なさった後ですね、これからどうお過ごしになるのかというのが気になるところなんですけれども、今何か考えていることがあれば教えてください。
(答)
まず第一点ですが、世界経済については、ご案内の通り、一番大きな経済を決める状況については、コロナが収まりつつある中で、欧米で非常にインフレ率が上昇し、これに対して欧米の中央銀行がどんどん金利を上げていったと。その結果がどうなるかということでしたが、これはご承知のように、米国の場合も、もちろん住宅投資なんか影響を受けていますけれども、消費はきわめて堅調、それから労働市場もきわめてタイトということで、あまり不況になって世界経済にマイナスになるというような感じは持たれてないと思います。それから欧州の場合は、まだ米国のように物価の上昇率がはっきりと低下するということまでなっていませんので、まだ金利がかなり上がっていく可能性はありますけれども、その欧州もPMIとかなんかをみてもかなり堅調で、金利が上がっていくことによって不況が来るとかそういう感じはむしろ今のところないのではないかと思います。そのうえで、銀行の話については、スイスで起こった件は、これは個別の銀行の話だと思いますが、米国のシリコンバレー銀行の破綻の話はやや一般的な話かもしれないと。ただ、日本にああいうかたちの銀行はないと思います。法人預金が大半で、預金の 9 割以上は預金保険がカバーしてなかったというようなところでああいうことが起こったわけですけれども、そういうような状況は日本の金融機関ではありませんので、あまり波及ということを日本について考える必要はないと思います。なお、今波及がないのは、日本が非常に金利を安くしているからということだけではないと思いますので、基本的に日本の金融システムが頑健で安定しているということが大きいと思います。最後に、退任した後のことですが、私も 78 歳ですので、フルタイムの仕事をする気は全くありません。できたらどこかの大学で教えたりすることは考えたいなと思っているぐらいです。

利上げによる一時的な、短期的な金融危機とか、マクロではどうでもいいですよね。供給能力潰されない限り通貨は危機にはなりません(そう考えるのが論理的なはず)

(問)
10 年間お疲れ様でした。本当にありがとうございました。総裁がご就任されて最初の頃の記者会見の要旨等を読んでいますと、期待に働きかけるというのが異次元緩和当初の大きな政策の柱だったと思いますが、一方で総裁は期待に働きかけるっていうのは別に非伝統的政策だろうと伝統的政策だろうと、政策の有効な手段の一つという発言されていました。非伝統的金融政策を 10 年間やられて、その期待への働きかけということを考えた場合、伝統的な政策のもとでやるときと、非伝統的な政策でやるもとで、一体どういう難しさとか違いがあるのか、その辺りを是非お願いします。
(答)
まず量的・質的金融緩和は、ご承知のように量・質の両面で思い切った金融緩和を行うことで名目金利を相当下げるということがまず非常に重要な要素としてあって、他方で 2%の物価安定目標に対して明確なコミットメントをすることによって予想物価上昇率を引き上げるということで、両者相まって、実質金利が大幅に下がるということを狙いとしていたわけであります。そういった意味では、名目金利の引き下げについては思った通りの効果がありましたし、予想物価上昇率についてもずっとゼロ近傍であったものがポジティブなレンジにはなっていましたので、特に最近は予想物価上昇率がかなり上がってきていますので、実質金利が更に下がっているということで、期待に働きかける云々というのが、意味がなかったとか効果がなかったとは言わないのですけども、一番大きな要素はやはり、量的・質的金融緩和で名目金利を思い切って下げるということが非常に重要な要素だったと思います。

@△@;???

ちなみに、伝統的金融政策というのは、政策金利、典型的には公定歩合、そして政府短期証券とか手形の割引とかをやるということですので、要するに直接的にはもう翌日物(注)、超短期の金利にしか直接的な影響はないのです。しかし、その金利が経済活動に直接大きな影響を与えるということはまずないです。実際に経済活動に影響を与えるのは、短期、中期あるいは長期の金利が与えるので、そのためには、中央銀行は要するにインフレが収まるまで例えば金利であれば上げるよということをコミットすることによって、期待に働きかけて、そしてご承知のように金利の[期間]構造というものは、中長期の金利というのは短期の金利の期待で決まってくるわけですから、当然、中長期の金利を下げる、あるいはインフレを防止するために上げるというためには、公定歩合を上げて、短期証券のオペをやったからそれでいいっていうのではなくて、そういうことを引き続きやるということで市場の期待に働きかけて、市場が短期でも中期でも長期でも、そういう金利をインフレ対策のために上げていく、逆であれば下げていくということによって、経済とか物価に影響を与えるってことですから、ある意味で言うと、伝統的金融政策の方がより期待に働きかける要素が大きくて、逆に言うと、ある意味で難しいわけです。非伝統的[金融政策]、これは米国も日本も欧州もそうですけども、長期国債、長期金利に直接影響を与えるというかたちでやりますので、もちろん期待に働きかけるという意味は先ほど申し上げた予想物価上昇率に働きかけることによって実質金利を下げるという意味がありますので、重要ではあるのですけども、金利自身は直接、長期金利もコントロールするというのが非伝統的[金融政策]。というのは、短期金利もこれ以上下げられないという状況で非伝統的金融政策に移っているわけですから、だからその意味では伝統的なのは期待に働きかける必要はなくて、非伝統的[金融政策]が期待に働きかけなければいけないということではむしろなくて、伝統的金融政策の方がより期待に依存するところは大きかったということだと。それでうまくできたのは、やはりまさに伝統、何百年の伝統があって、経験値があって、こういうふうに公定歩合を動かし、こういうふうにオペをやれば、中長期の金利も上がってインフレを退治できる、あるいは下がって不況を退治できるという経験値があったのです。そういう意味では、純粋に期待に依存する要素というのはむしろ非伝統的金融政策の方が少なくて、伝統的金融政策の方が大きかった。ただ、その経験値を生かして、かなりうまくやってこられたのです。ただ非伝統的[金融政策]は、まさにこれ以上政策金利が下げられないという状況に初めて直面した状況で、初めて非伝統的金融政策というのをやった、経験値がないところで、理論的に考えてやったというところが違うのかなと思います。

インフレを防止したりインフレ対策したりインフレを退治したりしなくていいですよね^^;実質デフレなんだから


(問)
二点お伺いします。まず一点、金融緩和についてなんですけれども、副作用とかのバランスも考えれば、この 10 年で取り得る手段はもう全てし尽くしたと今お考えでしょうか。二点目なんですけれども、いわゆる 2%目標の達成なんですけれども、それが近づいているという手応えを最も感じたのはこの 10 年間でいつの時点なんでしょうか。
(答)
まず第二番目の点につきましては、やはりコロナが 2020 年の春から広がったわけですけれど、その前にはある程度成長率が回復し、賃金・物価も上昇し、労働市場も非常にタイトになっていたわけですけども、その時も、ある程度近づいたのかなとは思いました。ただその時は、まだ物価上昇率も、予想物価上昇率も、賃金上昇率も、2%と整合的な状況ではなかったですから、そのもとで感染症の問題が起きて、世界的に成長率も物価上昇率も下がった、あるいは労働市場も、日本は失業率がほとんど上がらなかったのですけども、欧米の場合は大幅に上昇したという違いはありました。それから一番目の点につきましては、これは今後、植田総裁のもとでどのような金融政策をされるかということについて云々する立場にありませんけれども、FRBにしてもECBにしても、必要があれば更なる量的緩和というか、そういうこともできるということは、はっきり言っていますし、金融緩和がもうこれ以上できないとか、そういうようなことはないと思います。ただ、いずれにせよ、今は状況としてはまさに 2%の物価安定目標が、賃金上昇を前提にして実現できる可能性が高まっているという状況だと思います。

2%目標の達成なんですけれども、それが近づいている・・・・2%にしたけりゃ、まず財政支出減税(特に消費税廃止)をしたらいいのでは。

(問)
10 年間の大規模緩和を振り返って頂きつつ伺いたいんですけれども、米欧といった他の先進国に比べて少子高齢化が進んでいたりですとか、硬直的な雇用形態が広がっていたりする日本で、金融緩和のその政策効果を波及させることが他の先進国に比べて難しいと感じられたことはあったのかという点です。もう一つが政策の手段についてなんですけれども、長期金利の水準を明示して誘導するいわゆるイールドカーブ・コントロールは適切だと感じてらっしゃるとかっていうのと、引き続き有用だとみてらっしゃるのか、この二点について伺いたいと思います。
(答)
第一点につきましては、先ほど来申し上げたように 15 年続きのデフレのもとで醸成された物価・賃金が上がらないっていう慣行、ノルムが非常に大きく影響したということは申し上げました。他方で欧米も含めて多くの経済学者は、少子高齢化は要するに労働供給が減ること、供給力が減ることですから、同じ需要であれば物価がより上がるということですので、少子高齢化がデフレをもたらしたわけでもありませんし、少子高齢化のもとで金融緩和の効果が発揮されないということもありません。それは全くの誤解だと思います。それからYCCにつきましては、2013 年 4 月に導入した量的・質的金融緩和、それから 2016 年 1 月に導入したマイナス金利付き量的・質的金融緩和、それからその年の 9 月に導入した長短金利操作付き量的・質的金融緩和、これはいずれも本質的には量的・質的金融緩和で名目金利を下げて、そして予想物価上昇率の上昇を期待して実質金利を下げると。それによって経済を刺激し、経済活動を活発にし、賃金・物価の上昇を通じて 2%の物価安定目標を達成するというための政策であり、YCCがそれまでの量的・質的金融緩和と違うのは、単にその金融政策調整、英語で言う intermediate objective、その操作目標、国債 80 兆円を買う代わりに 10 年物国債金利をゼロ%程度に安定させるとしたことであって、どういうかたちで金融を緩和して経済を刺激するかという面では、いずれも実質金利を下げて経済活動を活発にする、それを通じて賃金・物価の上昇を実現するという点ではあまり大きな違いはないので、YCCは続けられなくて、QQEは続けられるとかそういったことはないと思います。

黒田さんはデフレを認めているし、それに少子化は関係ないと言っている。実際デフレをもたらしたのは、バブル崩壊後の政策の誤り(インフレ対策をやった)


(問)
総裁、大変お疲れ様でした。総裁、この日銀総裁になられる前にも様々な要職を務められてきたわけですけれども、総裁、この 10 年間で中央銀行総裁として、もちろん物価についてはノルムが根強かったっていうことは理解しているんですけど、その他、総裁 10 年を通して印象に残っている何か学んだこと、発見があればお願いします。あと、総裁、今後、日銀のこの緩和というのは中央銀行っていう歴史の中でも残る可能性は十分あると思うんですけれども、世界の中央銀行の方たちに向かって、総裁が学んだこと、学んだことというんでしょうか、伝えたいこと、この 10 年の経験を通して伝えたいこと、何かあればお願いします。
(答)
私も財務省に 35 年ぐらい勤めまして、財務官を 3 年半ぐらいやりました。その後、アジア開発銀行の総裁を 8 年やりまして、そして日銀総裁を 10 年やったわけですけども、それぞれに要請される仕事というか、目標というか、それは少しずつ違いますので、一概に何とも言えませんけれども。10 年間の中央銀行総裁というものを経験して得た感触というかそういうものとしては、一つは大変重要性が高いというか、やはり日本銀行で言えば、世界第 3 位の経済に対して非常に大きな影響を与える政策を担当するわけですから、それは非常に身の引き締まる思いというか、重要だっていうことは分かりますし。

他方で財政政策などと比べますと、金融政策というのは、あくまでも金融システムに働きかけて、それが経済、実体経済に影響させるという政策ですので、やはり金融システムの状況というのを十分把握する必要もあるし、それからダイレクトに日銀が経済活動に関与するってことではないわけですね。財政政策は直接的に投資をしたり、消費をしたりするという意味では、非常にダレクトな政策なのですけど、金融政策というのは、ちょっとインダイレクトな、金融システムに影響を与えることを目的にしているのではなくて、金融システムを通じて経済、実体経済に影響を与えるってことを目的にしているわけですので、そういう意味では、ある意味で財政政策と違った難しさというか、そういうものがあるなという気はしましたですね。


それからBISでバイマンスリーってことですから、2 か月に 1 回ぐらいこの 10 年間会ってきたわけですね。感染症の間はオンラインでやっていましたけども、そういう意味でお互い遠慮なくいろんな話をしてきたので、こちらも大変世界の中央銀行の経験していることから学ぶことができましたし、われわれの金融政策についても、常にもうオープンに話していましたので、その経験というのも分かってもらえたというふうに思っています。

上の青で囲った部分が今回もっとも重要だと感じます。黒田さんは財政政策と金融政策の違いを理解している。「金融政策は十分やったし、これ以上どうしようもない、反面財政政策を(十分)やってないと言うかある意味真逆の事(インフレ対策)やってるんだから、そっちをどうにかしろよ、オレ(金融政策担当責任者)に言うなよw」って言いたいんではないでしょうか?


(問)
今の先ほどのお話にもちょっと関連するんですけれども、金融政策、システムに働きかけるということもありました。ただ、昨年の歴史的な円安などですね、国会のお話など結構大変な日々も続いたかなと思うんですけれども、総裁の職務の難しさなど、もうちょっと詳しく感想をお伺いできればと思います。
(答)
先ほど申し上げたように、財政政策のようにダイレクトに直接的に需要を創出する、購入するっていうものでありませんので、金融システムを通じて実体経済にどういう影響を与えるかということなので、その点は十分分析も必要だし、注意も必要だということはよく分かったという気がしました。


(問)
先ほど他の方からの質問の中で、10 年間いろいろ振り返るお話があったので、その10 年振り返るうえで伺いたかったのが、亡くなられた安倍元総理のことについてになります。というのも総裁が就任とともに始められた大規模緩和策というのは、安倍政権が掲げたデフレ脱却というアベノミクスの第一の矢としての大きな役目もあったと思います。総裁が 10 年間、日銀の長い歴史の中でも最も長く総裁を務められて、そのうち 7 年半、本当に長い間、安倍元総理とともに、政府と日銀という立場で日本経済のために尽力されてきたと思います。明日、総裁の任を離れるに当たって、安倍元総理との何か真っ先に思い出される政策の中でのやり取り、シーンであったりエピソード、あるいは学んだこと、金融政策ときに財政政策であったり日本経済の再生のために、どんな会話がお二人の間で交わされてきたのか、もし、少しでもお話し頂けることがありましたら、ご教示頂ければなと思います。
(答)
安倍総理とは年に 2 回ぐらいですか、お話しする機会を頂きまして、その時々の日本経済・物価・金融、そしてそれを取り巻く世界経済の動向といったことをお話ししまして、非常にお互い認識を共有するという意味では、非常に意味があったというふうに思っております。他方で、何かエピソードとかそういうものというのは、なかなか申し上げにくいんですけども、むしろ私がアジア開銀の総裁のときに、安倍第一次政権のとき何度かお会いして、アジア経済の話をした際に、安倍総理がインド経済についてきわめて関心が強く、しかもいろんなことをよくご存知だったということで、多くの政治家は中国経済のことの方に関心が向くわけですけれども、安倍総理は、第一次政権のときから既に、きわめてインド経済の動向に関心があったというのが印象的でした。


(問)
先ほどノルムについて、変容しつつあるというお話をされていたかと思うんですが、なぜ変容しつつあるかということを考えますと、やはりきっかけは外的ショックと言いますか、物価高、先ほど総裁もおっしゃいました輸入物価に伴う物価高にあったのかなというふうに思っております。とすると、これ一時的に終わる可能性もなきにしもあらずかなというふうに思うんですけれども、これを持続的なものにしていくために、中央銀行としてできることは何か。9 日から植田新総裁が新体制をスタートされますけれども、植田新総裁の新体制がすべきこと、期待することも含めて、中央銀行のできることについてちょっとお尋ねしたいと思います。
(答)
まずノルムが変化しつつあるというのは、確かにショックとして輸入物価が大きく上がって、価格転嫁というかたちで消費者物価も上がったと。そのもとで労使関係の中で、そういった物価上昇を踏まえた賃金交渉になってきたということが明らかにノルムを変えつつあると。具体的に言えば、長期の予想物価上昇率が上昇してきているというかたちで出ていると思うんですけれども、そもそもそういうふうになった前提として、やはり 10 年間の金融緩和の中で、経済活動が活発化し、労働市場がきわめてタイトになり、これ以上の新規労働力の供給が難しいほどまでタイトになって、コロナの状況のもとでも失業率は 2.5%前後で、15 年続きのデフレの頃の 4~5%の半分ぐらいで維持されてきたわけですね。そうしたもとで、ああいう輸入物価ショックがあって、ノルムが変容しつつあるということだと思いますので、やはり金融緩和を通じて経済の成長を促進し、賃金の上昇が続くというようなかたちを維持することが一番重要だと思っております。

これは、正規社員を非正規化して、不足分の労働力を(即戦力的な)女性や高齢者、移民で補ったことを「活発化」と呼んでいるのでしょうか? 結果、新規労働の供給(きちんとした(技術知識のある)労働力)の供給が難しくなったのでは

(問)
総裁は先ほどからのご説明で物価目標が達成できなかった理由としてノルムを挙げられておられますけれども、そもそもその異次元緩和というのはそのノルムを 2 年で変えるということで始めたものだったというふうに理解しているんですが、それが 10 年経ってもノルムを変えられなかったということは、当初目的からするとやはり失敗だったのではないかというふうに思うんですがいかがでしょうか。
(答)
そういうふうには全く思っておりません。


(問)
10 年間お疲れ様でした。一つお伺いしたいんですけれども、金融緩和でマーケットや人々、企業の期待に働きかける戦略ということで採ってこられましたけれども、13 年 4 月のQQEの発表から黒田総裁のもとで、この金融政策がマーケットサプライズと受け止められて大きく動くという局面がままみられたわけなんですけれども、黒田総裁のお考えの中には、金融市場にサプライズをもたらすということが、そういうことも期待戦略というか、期待に働きかける上では重要だというお気持ちでサプライズを打ち出していかれたんでしょうか。この点をお聞かせください。
(答)
そういうことは全くありません。サプライズを狙いとして政策を行ってきたというようなことは全くありません。


(問)
10 年間お疲れ様でした。ありがとうございました。在任期間が日銀総裁としては最長ということになりますけれども、10 年間という期間は、主要先進国の中でもなかなかない在任期間だと思います。黒田総裁の場合は、1 期 5 年というものを、再任を受けて 10 年というかたちになっているわけですが、中央銀行のトップが 10 年間やるということは非常にご苦労も多かったとは思うんですけれども、これ自体をどのように評価されているか、ご自身で何かご見解あればお話頂ければと思います。
(答)
10 年が長いということは 60 以上の中央銀行総裁が加わっているBISの中でもそうだと思いますけども、例えば最近リタイアされたスウェーデンのリクスバンクの総裁は 17 年やられたんですね。彼は、長かったとおっしゃっていましたけども、10 年が 60 人以上の総裁の中では長い方ではあると思うんですけど、もっと長い人も何人もおられます。


(問)
10 年間にわたり、様々な質問にお答え頂きましたことを感謝申し上げます。最後の質問ですけども、総裁がおっしゃる通り、最近物価・賃金情勢に従来にない変化の兆しがみられるほか、物価の基調を示す指標にも改善がみられる中、若干気になったのは先般発表された 10~12 月期の需給ギャップがプラス転換目前と思われたのがマイナスのままとどまったのみならず、マイナス幅が拡大したと。これは一体何が起きてきたのか、従来 22 年度後半頃にプラス転換すると言っていたシナリオに変化を迫るような話なのか、それほどの話ではないのか、その辺りをご説明ください。
(答)
今のところは、そういった長期の見通しを変化させるようなものではないというふうに思っております。いずれにせよ、今後年 4 回の展望レポートで経済成長とか物価見通しと両方示されると思いますけども、将来の展望レポートのことを何とか言うのもおかしいですけども、個人的には現在の潜在成長率を超える成長は今年度来年度も続くという以前の展望レポートの考え方は変わってないと思います。


(問)
10 年間、時に失礼な質問もあったかと思いますが、丁寧にご対応くださりありがとうございました。最後に今日質問が出なかった国際会議について伺いたいと思うんですけれども、この 10 年間コロナ禍の対応など迅速な連携もあった一方で、金融規制の強化などでは時に国によって利害意見が異なる局面もあったかと思います。この 10 年間の海外当局との議論を振り返って、黒田総裁ご自身が考えられる功績ですとか、苦労なされたことをお聞かせ頂きたいのと、併せてその財務官時代のご経験も踏まえて、今後、日銀、財務省、金融庁、民間金融機関などで国際金融の業務を担っていく方々にメッセージがありましたらお聞かせください。
(答)
金融規制の話は、主としてバーゼル委員会の話、それからFSBの話ですけども、日本の場合は金融規制そのものについては基本的には金融庁が担当しておりますし、バーゼル委員会でも金融庁の担当者が出ています。もちろん日本銀行の担当者も出ています。そういう中で、金融規制の話もいろいろありましたけれども、結果として何か日本にとって好ましくない金融規制が導入されたとか、そういうことはなかったと思っております。バーゼルⅢも、着実に日本は実行しております。それから国際会議云々で特にその財務官の経験とかアジア開発銀行の経験とかいろんなものがあるわけですけども、国際交渉で一番重要なのは、いわゆるタクティクスというか交渉の手段とか手法ということではなく、日本として守るべき一番重要な国益が何かということをよく考えて交渉するということに尽きると思うんですね。というのは、その様々なことが国際交渉、あるいは国際会議の議題となったときに、その場そのときに日本にとってその問題についてどういうところが国益で、その国益を貫かないといけない部分とそうでない部分とあり得るわけですので、何が国益かということを常に考えて交渉するということが一番重要というか、その交渉のテクニックとかタクティクスとかそういうことよりも、まさに外交は内政だって言われる通り、自国として何が重要なのか、国益が何かということをしっかり考えることに尽きると思います。どうも長いこといろいろありがとうございました。



(注) 会見では「当日物」と発言しましたが、正しくは「翌日物」です。


黒田総裁への評価


あ、私のね。
黒田総裁は日銀総裁。
金融政策を行う機関、中央銀行のトップです。
そしてデフレ時には金融緩和という
真っ当なやり方をしてきたので、
評価はGOODです。

これ、いまだデフレ脱却できていない
現状況下で
利上げ(金融引締め)なんかやってたら
社会からさらにお金が回らなくなるので、
さらに社会は地獄化していたでしょう。

黒ぴーお疲れさマントヒヒ


大規模緩和10年「適切」/日銀・黒田総裁退任会見(2023年4月7日)【ノーカット】



正しいことをする、んじゃない。正しいことにする、んだ。




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