鬱病で、退職後に傷病手当金をもらう方法

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2024.9追記:当記事は2016年に私が会社を辞職した際の記録です。もうかなり前の話になるため、当記事内容と現行の制度に関して相違があるかもしれません。ご了承ください。


この記事では、実際に鬱病で退職後に傷病手当金を受給している私の経験を踏まえて、
鬱病で退職後に傷病手当金を受給する方法を、世界一わかりやすく説明します。

当記事は、現在は在職中だが退職後に精神疾患(鬱病)で傷病手当金を受給したい方に向けた記事なので、それ以外のケースには対応していない場合があります。尚、健康保険の保険者全国健康保険協会(協会けんぽ)であるものとします。私が加入していたのも、全国健康保険協会(協会けんぽ)です。保険者が健康保険組合である場合は、組合ごとに申請方法等が異なるケースがあるため、飽くまでも参考程度にご覧下さい。





(↑先にこっちを見て下さい)




・今、働いているけど働くのがとても辛い
・精神的に限界まで追い詰められている
・それでも生活のために仕事を辞めることが出来ないでいる


そういった方の助けになりたくてこの記事を書きます。なぜなら、傷病手当金を受給する前の私がそうであったからです。

もうこれ以上働けない
本当に限界で、
自分がどうなってしまうか分からない
でも仕事を辞めたら生活に困るから辞めることができない

そういったジレンマで、
日々精神をすり減らしているあなた。



最悪の結果になるくらいなら、
その前に仕事を辞めてください。




そして、傷病手当金を受け取りましょう。

そうすればとりあえず1年6ヶ月はお金の心配はしなくて済みます。その間に心身を休ませ、次の一手を模索しましょう。



(当記事は不正受給(詐病での受給)を目的とした方を対象にした記事ではありません。ガチで危ない状態にいる方を助けることを目的として情報を提供しています)






休職時の傷病手当金の受給手続きは基本会社がやってくれます。しかし、退職してから傷病手当金受給しようとする場合は、手続きは自分でしないといけません


退職後の傷病手当金申請は、受給に至るまでの過程がちょっとややこしいです。なにせうつで傷病手当金を受給するマニュアルが情報商材で売られているくらいですからね。もちろん私はマニュアルなど買っていませんし、これを見てる方にもそのようなものは売りません(私が持っている情報はこの記事にぜんぶ書きます)
私は傷病手当金についてネットでほぼ一ヶ月かけて調べられるだけ調べ尽くし、それでも解らないところは健康保険協会社会保険労務士の方に電話で聞きまくりました。しかし、それは困難を極めました。鬱で過度のストレスを抱え、頭の働きが著しく鈍っていたことが最大の原因ではあるのですが、それに加えて、私が受給しようとした段階(2016.8)ではネット上に退職後に傷病手当金を受給したい私に適したサイトやブログ記事が、ほとんどなかったのです。







だからこそ。


だからこそ、私はこの記事を書きます。


辞職後に傷病手当金を受給しようとしている方の、本当の助けになるように。




退職後に傷病手当金を受給するための条件


    1.仕事以外の原因で病気や怪我になり、
     療養中で働けないこと

    2.連続する3日間を含み
     4日以上仕事に就けなかったこと

    3.会社の健康保険に
     12ヶ月以上連続して加入していること

    4.退職日(会社に在籍する最後の日)を休んでいること



当記事は、まだあなたが会社に在職中であることを前提に書いています。
もし、既に退職済みであるのなら、条件の2.3.4を既にクリアしていなければなりません
これらがクリアできていない状態で退職してしまっているのなら、もうアウトです;-;。



鬱で退職後、療病手当金をもらうまでの流れ


順を追って解りやすく書いていきます。
実際に、このやり方で私が受給できているので、ストレスで頭が働かない方や、調べてもよく解らない方はもう、何も考えず、この通りにやってくださいこの通りにやるだけでいいんです。



まず、傷病手当金を受給するために用意するものですが、たった1つだけです。



それは、傷病手当金の申請書です。

傷病手当金支給申請書
参照:全国健康保険協会

1ページ、2ページ目はあなたが書きます
3ページ目は、会社が書きます
4ページ目は、精神科の医師が書きます

この書類はプリントアウトしてもいいですが、
大抵の場合、↓の流れの中で、会社から送られてきます


では、傷病手当金受給流れを説明します。

1.精神科・心療内科を受診し、鬱病と診断される。

2.会社に退職届を出し、退職日を決定する。

3.退職日の4日前から、会社を休む。

4.退職日の前日に会社に電話し、
  鬱病で傷病手当金を受給申請したいので、
  事業主記入欄(3ページ目)の証明を
  お願いしたいと言う。

5.数日後、
  会社から傷病手当金申請書(4枚)が送られてくる。

6.傷病手当金申請書の1ページ目、2ページ目を書く。

7.翌月になったら精神科・心療内科に行き、
  傷病手当金申請書の医師記入欄(4ページ目)を
  書いてもらう。

8.健康保険協会に4枚まとめて郵送する。







はい。


このたった8つのことをするだけでいいのです。



疑問点などを踏まえてもう少し詳しく書いていく


(飽くまでも目安としてですが、解りやすいように日付を書いておきます。
3/20を退職日とします)

1.精神科・心療内科を受診し、鬱病と診断される

(3/1)

鬱病の診断にどれだけの時間を要するかは、あなたの病状と診断する医師によるので正確には解りません。初診で鬱病だと診断される場合もあれば、私のように初診から1年近くかかる場合もあります。ちなみに私は傷病手当金の受給を目的として通院していたわけではないです。傷病手当金の存在自体、仕事を辞める一ヶ月前まで知りませんでした笑)


良い医師に巡り会い、良い信頼関係を築くことは、実際かなり難しいです。



2.会社に退職届を出し、退職日を決定する

(3/6)

(社会常識では1ヶ月前、法律では2週間前に退職届を出せば良いことになっています。
もしそんな悠長なことを言ってられる状態じゃないなら、いきなりで構わないので会社に行くのを辞め、電話で会社に退職することを伝え、退職日を決めてください。社会の常識より、自分の命を守りましょう



3.退職日の4日前から、会社を休む

(3/17)

病欠、有休、公休、なんでもok。3/20が退職日なら、3/17、18、19、20は必ず会社を休んでね)

4.退職日の前日に会社に電話し、鬱病で傷病手当金を受給申請したいので、事業主記入欄(3ページ目)の証明をお願いしたいと言う

(3/19)

(傷病手当金に関しての会社とのやりとりは、後にも先にもここだけです。またこのお願いは会社にとって負担になることではありませんし、会社側にこの要請を拒否する権利はありません

5.退職日の数日後、会社から傷病手当金申請書(4枚)が送られてくる

(3/25)

(3ページ目の事業者記入欄が書き込まれた状態で届きます。普通は1~4ページ全部届きますが、もし3ページ目だけ送られてきたら、1、2、4ページは自分で健康保険協会のHPからプリントアウトしてね)
この3ページ目が、あなたが3日間の待期期間を完成させていることと、退職日に欠勤していたことの証明書になります。

6.傷病手当金申請書の1ページ、2ページを書く

(3/25)

受給申請書の書き方
参照:全国健康保険協会

1、2ページ目で分かりづらいところを説明してみました→傷病手当金、申請書の書き方

7.翌月になったら精神科・心療内科に行き、傷病手当金申請書の医師記入欄を書いてもらう

(4/1)

主治医には前もって傷病手当金の受給を考えていることを伝えておいた方がいいです。4/1としていますが、無理に月の初めでなくていいので、予約している通院日に行ってください。ちなみにこの4ページ目の医師記入欄が、あなたが治療中で働けない状態にあることの証明書になります。なのでこの医師記入欄を書くかどうかは、あなたではなく医師に決定権があります

8.健康保険協会に4枚まとめて郵送する

(4/1)


自分が住んでいる県の健康保険協会に郵送します。住所は「~県」「健康保険協会」で検索すれば出てきます)
★郵送する前に、コピーを取っておくと、2回目以降の傷病手当金申請に役立ちます。






傷病手当金の初回請求日はいつ?


退職日の4日前を初回請求日にしておけば大丈夫です(上の状況なら3/17。会社を休み始めた日です)。請求期間内に、有休日や待期期間で傷病手当金の出ない日があっても、気にしなくていいです。実際にお金の支給が開始された日から1年6ヶ月がスタートになりますから。

傷病手当金の申請は、前月分を月単位で行う


基本自由なんですが、解りやすく、前月分月単位で申請して下さい(私も前月分を月単位ですし、多くの方が前月分を月単位で申請しています)。

上の状況でしたら、
初回請求3/17~3/31の15日間です。
3月分(3/17~3/31の15日分)を4月に請求し、4月分(4/1~4/30の30日分)を5月に請求し、5月分(5/1~5/31の31日分)を6月に請求し……

支給決定通知書が届く


健康保険協会から郵便はがきで自宅に届きます。私の場合は、郵送から13日で支給決定通知書がきました。封書になっているので開かなければ傷病手当金の通知であることは解りません。
後はもう、翌月になったら前の月の申請を繰り返すだけです。2回目以降の申請からは3ページ目の事業主記入欄は必要ないです。自分が書く1、2ページ目、医師が書く4ページ目の3枚を健康保険協会に郵送してください。(つまり毎月最低1回は通院して医師に4ページ目を書いてもらうということですね)



実際の申請スケジュール


私が傷病手当金を申請した時のスケジュールを書いておきます。
参考にして頂ければ、幸いです。



8/7
上司に辞職を伝える。退職日が9/7に決定する。

8/29
最後の出勤日

8/30
有休消化開始 9/7までずっと休む(8/30を初回の請求日にした)

9/1
会社に電話し、鬱病で傷病手当金を受給申請したいので、事業主記入欄(3ページ目)の証明をお願いしたいと言う。

9/5
会社から傷病手当金申請書が送られてくる。3ページ目は会社が記入済み。1、2ページ目を自分で書く。

9/7
退職日 有休消化終了

9/8
傷病手当金支給開始日(←この日から1年6ヶ月が開始)

10/11
病院にて、医師に申請書の4ページ目を書いてもらう。傷病手当金申請書を健康保険協会に郵送する。『8/30~9/30の32日分を申請』   

10/23
支給決定通知書が郵送で届く。銀行口座に傷病手当金(9/8~9/30の23日分)が振り込まれる。(8/30~9/7は有給が出ているので、傷病手当金は出ません)

11/10
病院にて、医師に申請書の4ページ目を書いてもらう。傷病手当金申請書を健康保険協会に郵送する。『10/1~10/31の31日分を申請』

11/17
支給決定通知書が郵送で届く。銀行口座に傷病手当金(10/1~10/30の30日分)が振り込まれる。



以下、繰り返し。






よくある(と思われる)Q&A


Q.退職日の4日前から休むのが厳しいんだけど?
A.休んで下さい。在職中に3日間連続で休み、更に退職日も休むことが、退職後も傷病手当金を受給する条件です。退職日の4日前から会社を休めば、これらを同時にクリアできます。

Q.医師の診断書や会社の賃金台帳、給与明細、タイムカードのコピーはいらないの?
A.いらないです。

Q.申請してから実際に給付金が振り込まれるのにどれくらいかかるの?
A.2週間くらいです。

Q.傷病手当金の申請が、健康保険協会に承認される確率は?
A.4つの条件さえクリアしていれば、ほぼ100%かと思います。書類上で記述ミスなどの不備があれば、即非承認となるわけではなく、電話で知らせて書類を自宅に郵送、書き直しをさせてくれるようです。

Q.国民健康保険では傷病手当金を受けられませんか?
A.受けられません。会社の健康保険に12ヶ月以上継続して加入しておかなければダメです。

Q.失業保険を受け取っていたら、傷病手当金の申請はできますか?
A.できません。傷病手当金は「働けない人」に支給されます。失業保険は「働けるけど仕事が見つからない人」に支給されます。両方を同時に貰うことはできません。

Q.会社と連絡が取りづらいんですが……
A.申請書ページ3は事業主記入欄なので、会社の人しか書けません。なので書いてもらうしかないです。
 とはいえ、辞める段階になって会社とコンタクトを取るのがどれくらい苦しいのか、それは私にも痛いほどよく解ります。でも、やらなければ傷病手当金は受給できません。
 総務課の人間は、傷病手当金について熟知しているはずなので、受給したいから申請書お願いしたいのですが、と言うだけで十分です。これを拒否する権利は会社側にはないですし、向こうも用紙一枚書くだけなので作業自体も10分程度で終わります。ただでさえ会社を辞めることで迷惑かけているのに、こんなのお願いしたらまた手を煩わせて迷惑かける……とか考えなくていいんです。(これは私が当時、同様の悩みを抱いていた時に、社会保険労務士の方が言ってくれたことです)

Q.会社に電話したら、こっちで保険者に送るから、申請書を記入し揃えた上で会社に送ってくれ、と言われましたが?
Q.上記の流れ以外でも受給は可能ですか?

A.4つの条件さえクリアしていればどんな流れでも受給は可能です。例えば、申請書を自分で印刷し、1ページ目、2ページ目を自分で書き、4ページ目を医師に書いてもらった後に、会社に1、2、3、4ページ全て送り、3ページ目を記入してから健康保険協会に郵送してね! とお願いする流れでもOKです。飽くまでも分かりやすくするために上の流れに限定して書いているだけです。

Q.ややこしくてもいいので、詳しく正確に教えて!
A.退職後に傷病手当金を受給するためには、在職中に3日連続で休み、3日間の待期期間を作ります(←この待期期間っつう存在がややこしいんですよね~)。その後、「働けない状態」を作る(作るというと、語弊がありますが)ために、退職日(会社に在籍する最後の日)を休みます(このことで傷病手当金が在職中に受給できる状態になり、継続給付の権利を得ます)。これは別に退職日1日だけじゃなくて、退職日と退職日前日の2日間でもいいし、退職日と退職日前日と退職日前々日の3日間でもいいです。4日間でも5日間でも10日間でもいいです。なお待期期間の3日間と、この働けない状態の休みの期間は連続していてもしていなくても構いません。連続した場合は、最初の3日間が勝手に待期期間の3日間になります。加えてこれらのすべての休みは、病欠、公休、有休、何でも構いません。
  
Q.他にも解らないことがあるorくろやぎと自分のケースが違う。
A.健康保険の保険者に電話してすべて聞いてください。私も自分が経験した以外のケースのことは、自信を持って答えられません。この記事に書いている以上(以外)のことは解りません。



傷病手当金を受給している期間中の労働について


傷病手当金の受給期間中は、働けない労務不能の状態にあるのだから、労働をしてはいけません。でもこれって、収入が発生するすべてのものが労働と見なされるの? って思ったんですよ。で、調べてみたら労務不能には以下のような解釈がありました。

被保険者がその本来の職場における労務に就くことが不可能な場合であっても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによって相当額の報酬を得ているような場合は、労務不能には該当しないものであるが、本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事したり、あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合には、通常なお労務不能に該当するものであること。
したがって、被保険者がその提供する労務に対する報酬を得ている場合に、そのことを理由に直ちに労務不能でない旨の認定をすることなく、労務内容、労務内容との関連におけるその報酬額等を十分検討のうえ労務不能に該当するかどうかの判断をされたいこと。(平成15年2月25日保保発第0225007号・庁保険発第4号)


これについて、いまいち不安だったので
実際に健康保険協会に電話して聞いてみました

すると、健康保険協会が言う、労務不能状態とは、前職(辞めてない人なら現職)の労務が不能である状態、だと言われました。

結論から申しますと、外に出て正社員やアルバイト、派遣、契約、日雇いなどで労働を行うことNG
そのほか、内職や副業であっても、前職と同様の労働を行うもの(例えば靴下を製造する工場で働いていた人が靴下を作る内職をする)はNG
それ以外の収入に結びつく作業はOKとのことでした。私が気にしていたのは、株式等投資による利益(配当も含め)。それからブログやサイトなどで発生するアフリィエイトの利益。これらは金額の多寡に関わらず、すべてOKとのことでした。



健康保険の保険者が、健康保険組合の場合


大企業の方は、健康保険の保険者が健康保険組合である場合があります。冒頭にも書きましたが、その場合、健康保険協会(協会けんぽ)とは傷病手当金の申請方法や受給内容が異なるケースがあります。これについて、健康保険協会に電話をして確認してみましたが、各健康保険組合ごとに違う可能性があるため、保険者が健康保険組合の場合は、自分が所属する健康保険組合に電話して詳しい申請方法・受給内容などを確認して下さい、と言われました。一番ネックになる、会社とのやり取りが増える確率が高いわけですが、それはもう仕方ないですね……。


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