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通貨の価値とは?
供給能力です。
国家の供給能力(と資源)に左右され、
その他一切は瑣事でしかない。
この瑣事の主な例として、政府の為替介入やそれに伴う利益目的での売買などがあります。
為替市場は
対顧客市場とインターバンク市場があります。
外国為替について語っていきます。
現在、世界では
管理通貨制度が布かれているため、
絶対的な価値の通貨がなく、
すべて相対的な価値となっています。
例えば、日本の日本円とアメリカの米ドル。
この外国為替は、
どのような要因(ファンダメンタルズ)で
動く(価値が変動する)のでしょうか。
為替が動く長期的理由
通貨は、租税、つまり税を取ることで価値を持ちますが、その価値が、外国(税を取られることとは関係のない人たち)からどれだけ評価されるか? は、国力(生産力=供給能力)にあります。その国のモノやサービスがどれほどの価値を持つのか。技術面や生産面でどれほど他国と比べて優れているのか? これが、対外的な通貨価値を決定します。もちろん短期的には様々な(情勢、政策、金利など)影響を受けますが、国力がしっかりしていれば、通貨価値が崩れることはありません(数字上の問題であれば、中央銀行がいくらでも解決できる)。日本円が無価値になるとしたらそれは、日本の供給能力が潰えた時です。
長期的理由は、国力です。
国力とは、その国の
資源(供給能力)。
国力が高い国の通貨は長期的に高値で安定し
反対に国力の低い国の通貨は
長期的に低値になる傾向にある、
ということです。
(長期的にね。中、短期的では判りません(判るなら投機トレーダーになってますw))
国内での生産力が低いということであり、
(供給能力や物質資源が国内にない)
自国の需要を満たすために、
海外からの輸入に頼らざるを得ない状況を作る。
となれば、日本円を外貨に替えて、外国製品を買うため、
日本円は売られて価値が下がり、外貨は買われて価値が上がる。
国力=通貨価値、
というのは、
国力が著しく下落した国を見れば、
その国の通貨価値が暴落しているため、
証明出来ることかと考えます。
貧窮している国は、おしなべて通貨安であり、
国力=供給力がない、
となっているはずです。
日本の供給能力に裏付けされている。
(相対的な価値は、です。通貨(円とか)自体の価値は租税(徴税と納税)に裏付けされています(←この説が最も有力))
日本には供給能力が十分にあるから、
日本円は世界から見て安全資産なワケです。
有事の円買い、なのです。
日本円の価値を支えているものは、
我々(今生きている日本人とこれまで生きてきた日本人)の
労働成果です。
通貨発行権のある国(EUなどを除くほとんどの国)は通貨を発行できますが、国力が伴わなければ、それはただの数字なのです。
この国力(資源と供給力)は、政局(政策)、戦争、災害、などの影響を受けます。その被害が一時的なものなら短期~中期的な下落で済みますが、長期的な毀損、となるとその国の通貨価値は長期的に下落していくと考えます。私見では、災害や戦争よりも政局(政策)が恐ろしいと感じます。なぜなら、災害や戦争は(ほぼ)万人から見て良くないものであり、国家全体で終わらせよう、解決しようと動く傾向が強いでしょう。しかし政局(政策)の場合、一般人の殆どは実態が見えません(それこそ戦争になるまで)。
これは長期で見たら、
の話なので短期~中期的にはまた違います。
安全資産としての、円
2023年現在、世界最大国の通貨である米ドルは安全資産、有事のドル買い、などと言われます。そして、我が国の日本の通貨である円も、有事の円買い、安全資産の円、として世界中の投資家から人気があります。え、でも常識的には日本は借金が1000兆とか超えて、財政が破綻しそうな、超危険な国なんですよね??
そうじゃないってことですね。
日本の円が安全資産である。
少なくとも今暫くは。
そうである理由は??
日本に信用があるから?
というより(信用って具体的に↓)、
供給能力(生産力、国力)が
あるからです。
(その他の数字的な事柄(金利とか通貨量とか)は、中央銀行が操作できます(自国通貨に関して中央銀行は数字上は無限の発行能力があるため)。
日本が円を発行する通貨発行権を持つ国であり、その上で何より、日本の供給能力が十分にあるから、円の価値が安全と言われるほど保持されているわけです。
日本円の価値を
支えているのは、
これまで生きてきた国民(が生産した価値)
なんですね。
私が考える
長期的な通貨価値の下落は
次のようなことがあります。
・大きな戦争に巻き込まれる(国力の致命的毀損)
・かつての金本位制→管理通貨制のように貨幣制度が変わる(まあこれはないでしょうw)
結局問題は供給能力のため、大災害(南海トラフ巨大地震・首都直下型地震)もそこそこの変化を与えると思います。
現在(2023)はまだ日本の国力が十分世界から評価される程度にはあり(GDPもまだ世界3位)、(長期的な)通貨安にはなっていませんが、数十年先の将来はどうなるか不安です(理由は供給能力が相対的に低下するから)。
ちなみに現在(2023)ドイツがGDP世界4位なのは、EU国の勝ち組だから、だと考えます。
為替が動く中期~短期的理由
上の国力以外の理由が、
すべてこれに当て嵌まると考えます。
金融政策による金利の上昇と下落
管理通貨制度では、物価と通貨の安定(正常な取引(売買))のために、中央銀行が通貨価値(量)を操作します(中央銀行の金融政策だけでは、デフレ解決はできません)。この中央銀行の市場介入により通貨価値が変動します。これに連動して、みんながお得だと思うものを買いに走ります。通貨自体や、株式や債券の金利が上がれば、その金利が上がった通貨や商品を買いたくなり(それで運用してお金儲けしたくなり)ます。もちろん、その発行元が信用に足ると判断した場合です(トルコリラ債とかの金利が高くてもみんな買わないですよね。発行体が不安だから)。
例としては、米ドルや米国債の金利が上がると、誰しも買いたくなりますよね。2023年、世界最高の供給能力を保持する米国が潰れる可能性は極めて低いのですから。そして債券の記事で書いたように、債券は発行体が破綻しない限り、利息と額面金額が保障されます(発行体がしっかりしていればほぼ確定利益)。そうして、皆が高金利を求めて米ドルや米ドル建ての商品(債券とか)を買えば、日本円を米ドルに替えることになり、結果として円が売られドルが買われ、円安ドル高になるわけです。
ただ、これもまた行き過ぎると中央銀行が介入してきます(為替の安定=物価の安定=取引の安定、のため)。中央銀行は外貨準備として外貨資産を保有しており、円安が行き過ぎれば円買いして円安を止めようとするし、円高が行き過ぎれば円売りして円高を止めようとするでしょう。なぜかというと、中央銀行の存在目的が通貨の安定だからです(通貨は、取引が正常になされるために存在しています)。あまりにも通貨安や通貨高が行き過ぎると正常な取引が不可能になってしまうので。
正常な取引が成されるための
【数字に過ぎない】
ンですね。
また貿易も影響します。
日米で例えると
ドルで支払うためドル需要が増え、
円安ドル高。
輸出が好調だと、
円で支払うため円需要が増え、
円高ドル安。
になります。
超短期的には、FRBや日銀の金融政策発表、国際情勢、大きな災害等、様々な出来事で売り買いされ、通貨価値は上下します。しかしこれは、FXなどで超短期利益を狙っている人(投機ファンド)以外、大した影響はないです(無視でいいです)。ちなみにこの超短期相場に関しては、一般人がニュース速報で情報を仕入れる時にはもう、ほとんど動いた後です(笑)
これでいえば、落ち切った後に一般人が手に入れられる【速報】が流れます。
ニクソンショック以前の米国のように、
1ドル=360円、と固定されているものが、
固定為替相場、そして現在の状態が
変動為替相場です。
固定為替相場制は実質、金本位制と
機能的にまったく同じに見えます。
しかし、こういった国力以外のものは
【通貨制度自体が変わる場合を別として】
短期~せいぜい中期的なもので、
国家の供給能力が盤石であれば、
長期的にはそれに伴った数値になります(なるはずですw)。
ついでなんで、
長期投資の話をしますねw
長期投資をするなら、長期的な動き「のみ」を見る
のがいいですね。
つまりは、国力(資源・供給能力)です。
これが将来的に高くあり続けるであろう発行体(国とか企業)に
長期投資はすべき、ですよね。
具体的には、全世界、とか、
先進国、とか米国、とかです。
どれもずっと成長(供給能力が向上)していきそうでしょ?
長期投資では、為替の動きは無視でいい
短気~中期の為替の動きに一喜一憂してはいけません(為替だけでなく株価もだけど)。
すべてスルーすべきです。
要は無視でいいし、気にしたところで、逆に何をするの?って感じですよね。
単に不安になる以外の何かが起こりますか?投機で逆張りでもするんでしょうか?^^;逆張り投機なんてしても、総合的には(人生で考えたら)大多数の人が、負けます(マイナスになります)。投機家でない限り、こういうの(短期の値動き)は気にするだけ時間の無駄になります。
(一時的に短期投機の市場に乗り込んでいって、そこでずっと闘っている百戦錬磨の連中(機関投資家)相手に、勝てますか? むしろ、彼らの餌になるでしょう)
きちんと長期で成長する見込みのあるもの(例えば世界株式とか米国株式とか)に投資しているはずなので、長期以外は文字通り無視です。
ここを気にし過ぎると(大抵は適正なアセットアロケーションが組めていない場合がそうなる)、こういう↓トレンド型のツルハシ売り(雰囲気ビジネス)の餌食になります。尤も彼らはそういった人間の愚かな心理を計算した上で虚構の商売(存在価値がない(無駄)どころかあると害悪な商売)をしているわけです。
また、一時的に短期投機市場に参入しようものなら、機関投資家の餌になります。
国力の致命的な毀損、それに至るような低下、に関しては長期的理由となるため無視できませんが(つーかそうなったら我々庶民にはどうしようもない)、そうでなければ無視で良いです。
目先の出来事に
右往左往してはいけないのです。
ドンと構えましょうw
(ドンと構えるために必要なのは、気持ちとか精神力(またはコミュニティをつくる)ではありません。そういうのでは持ちません。必要なのは、ただひとつ、アセットアロケーション(=無リスク資産の割合)です。)
(↑これ神記事なので、是非読んでみて下さい。これだけでもう普通の人がする長期投資の勉強って終わります)
毎年のように色んな事が起き続け、
株価も為替も短期では上下し続ける。
その度にネットではみんなが不安になり騒ぎます。その不安(やそこからの安心)を金儲けに繋げる人たちも毎度の如く出てきます(これらすべては雰囲気ビジネスです(見るだけ時間の無駄))。
しかし
②正常な取引が行われるために
各国の中央銀行がある
②が今回の記事の話ですね。
故に、それら(短期的な上げ下げとそれに伴う情報)は見る価値がない物(雑音)です。短期的な為替や株の動きに惑わされてはいけません。それに惑わされる=アセットアロケーションが適切に組めていないと言う事。それらがもし我々の生活までも脅かす段階(①と②を超える段階)まで来るのであれば、海外移住できるような金持ちでない限り(小細工を弄したところで)どのみち助からないでしょう。
国家の供給能力(資源を含む)に
左右され、
その他一切は瑣事でしかない。