一人になりたい。
そう思うことは
ありませんか?
私はここ数年、
ずっと思っていました。
なにせ、
一人じゃなかったからね(いや、メンタル的な意味ではずっと1人なんだけど笑)。
一人になって、
人生について、このままでいいのか?
と、考える時間を持ちたかった。
Contents
一人になれる場所を求めて
私は現在
実家で暮らしています。
しかしね。
まぁ実家っていうのは一人にはなれないんだ。
必ず、
親を意識してしまう。
じゃあ、
山とか海に出かけたらどうか。
これもやったね。
無職期間中に。
でも、一人にはなれないんだ。
野外だとやっぱり寝転がれないから
落ち着けないし。
何時間も引き篭もって
自分と人生について考えたい。
そんなとき、野外じゃ無理なんだ。
山とかに出かけて、
車を停めても、なんか違うんだ。
完全に一人になれる場所って、
なかなか
ないんですよね。
近所にあるビジネスホテルで一泊することを決意
しました。
ここんとこずっと考えてて。
身近にある場所で長時間安定した状態で一人になれる場所、ってビジネスホテルが一番だと思ったんだよね。
というワケで。
数日前に、近所にある
一泊6000円のビジネスホテルに。
予約を入れました。
一泊二日でね。
チェックインが15:00
チェックアウトが
翌日の10:00
です。
持っていったものは、
パジャマ2着と、
カップラーメン1個と
2ℓの水ですね。
これだけ。
シンプルに、これだけ。
そして、
最も重要なのが、
スマートフォンを持っていかないこと。
スマホ持っていったら
どれだけ頑強な意思があろうとも
必ずスマホ見ちゃうから。
一人で自分自身や自分の人生について
ホテル缶詰で考えに行くのに。
スマホがあったら台無しになっちゃう。
ので、スマホは持っていかない。
(だから、写真も撮れてないんだ^^;)
で。
決行しました。
15:00にチェックインして
翌朝の10:00にチェックアウト。
19時間。
ビジネスホテルの
部屋の中で
ひたすら
沈思黙考。
しにね。
行ったよ。
ビジネスホテルで一人になる
考えるべきことは、
人生このままでいいのか?
ってことと。
もう1つは
親……っていうか、
祖父母のことですね。
15:00 チェックイン
地方都市でね。
一泊6000円って、まあまあのホテルです。
綺麗だし。清潔だったね。
で、チェックインして
部屋に入るわけですよ。
その時点で、一人になれた、
っていう開放感?はあったね。
家にいても、職場にいても、
外を散歩していても、
外出していても、
大抵人目に曝されている。
他人や家族を意識している。
こんな状態で
ずっとやってきて。
とにかく、
世界から隔離された空間に
行きたかったわけね。
その
世界から隔離された空間で
色々考えてみたかった。
で、昼間のホテルって
すっごい静かで。
一人だけの世界にキターーーーーー
って感じになって。
荷物置いて
ベッドに寝転がって。
時間はたっぷりあると思って。
何かを強制されることに
とにかく疲れていたから
何もしたくなくて。
何も考えたくなくて。
そのままでいたら、
寝たんですよね、私。
んでそのまま
2時間くらい寝てて。
起きてバスタブにお湯を張って
38度くらいで。
ぬるま湯。
ゆっくりぬるま湯に
1時間くらい浸かって
ああ、これはもう
オレは孤独を暴食しているな。
っていう境地に至ってました。
で、風呂から出て。
さて、そろそろ
ここに来た理由を果たすために
考え始めようとベッドに寝転んだ時に。
隣の部屋に、
客が入ってきたんです。
19:00 隣の部屋にカップルがくる
そこで、私は気付いたんですけど。
このホテル、外部の音は窓の外が畑だったこともあってほとんど聞こえないんですけど。
内部っつーか隣の部屋の音が。
スゲー聞こえるんですよ。
逆隣の部屋の音は全然聞こえない。
えっと、こういう作りになってるから。
大抵ホテルこういう作りでしょ?
で。
まぁ、隣の声が
ガンガン届いてくる客が
カップルなんだわ。
しかも若いんだわ。
声と簡単な単語しか
拾えないんだけど。
すごいね。
学生カップルっぽいんだよね。
うん、
二十歳くらいの。
うわっ、って思って。
うわ、これアカンわ。
って思って。
いやまあ学生カップルが
隣部屋にいることは良いんですけど。
でも声がね。
聞こえてくるのよ。
結構な音量で。
世界から隔離された状態に
なりにきたのに。
あー、
これは失敗した、って。
まぁその後に起こること
を私は何となく予測したんだよね。
節理レベルで
その後に起こってくること
をね……ッッッ!!
これが物静かなオッサン1人とか
物静かなお姉さん1人とかなら
まだいいんだよね。
でも、
若いカップルなんだ……。
19:30 カップルがイチャイチャし始める
ガハハハハッて笑うんですよ、
男の方が。
品も脳味噌もどこかに置き忘れてきたかのような笑い声でね。
GAHAHAHAHAHA
って。
2人は親密かつラフな感じで。
色々話してるんですけど。
もう男がとにかく
馬鹿で。
たまに
大学生くらいのバカなリア充が
騒いでるじゃないですか
男友達数人で。
あん中の一人が
彼女とお泊り旅行に来ましたっていう
感じがビシビシ伝わってきて。
で、女の子の方も
何となく舌足らずで
少しバカっぽいんですよね。
男の方に比べたら5倍くらい賢そうなんだけど。
でも、
彼女も少し馬鹿っぽい。
で、私は
ここに沈思黙考しにきたのに。
これ、ダメじゃん。
なんで隣にリア充の学生カップルがいて。
しかもこんな
防音カスなの?
ってなってて。
しかもこれ、
なんていうか、やっぱり、
なんていうか、
やっぱり、ほら……
なわけ
じゃん?
20:00 ……!!!!
……
ちょっとだけ
静かになったと思ったら。。。
突如。
いや、
予想してたけど。
抉られたよ。
もう色々と
抉られた。
6000円も払って。
何しに来たんだろう、オレ……
ってなっちゃったね。
人生とか。
祖父母とかについて
考えられないわけですよ、
こんな事態になっちゃうと。
いやま、
衝撃的だね。
リアル感がさァ
凄かったのよ。
もう何なんだ
この
リアルなリア充は、と。
こいつら私の10倍くらい税金払って妥当だろ、と。
で。
まぁ、どこにも行けないわけですから、
部屋に居続けたわけですけど。
21:00くらいになって
終わったんですよね。
この時、私はもうね。
今、貯金とか
してるじゃないですか。
毎月ね。
これがもう
心底馬鹿らしくなってきてて。
まぁこんなに
隣の部屋で。
すぐ間近で。
人生を楽しんでいる人たち
がいるのに。
オレはなんで
こんなみみっちく
貯金なんかやってんだ、と。
これを聴いていると。
貯金とか
最高にアホだと思った。
思考ではなく
本能でそう思った。
もう本気で
貯金止めようって。
とにかく
人生を楽しまなければ、って
思えてきて。
本来。
こんなことを
考えに来たんじゃないんですよここに。
でも実際
その思いしかなくなってて。
もう、
とにかく貯金止めようって。
23:00 よく分からないLoveLoveが続く
なんかね。
声とか二人とも
めっちゃ若いんですけど。
熟練された
お互い遠慮のないカップルみたいな
雰囲気が伝わってきてたんですね。
1年は付き合ってますよ?
的な。
2人でテレビとか観たり。
お風呂入ったりして。
私の方もあっちの音が
ガンガン聞こえてくるものだから
気になって
音を立てられなくなってさ。
息を忍ばせてて。
何でここにいるんだろう状態だったよね。
で、12:00過ぎて。
もうね、寝る感じになってきたんですよ。
2人ともね。
むしろ遅いくらいですよ。
旅行中なワケでしょ?
もっと早く寝ないと
明日動けないからね。
うん。
で、まあ2人とも
静かになった。
1:00 ……!!!!!!!!!!!
……
……
なんかね、
幸せがね。
壁越しに、
伝わってくるんですよ。
色んな意味での幸せが
ひしひしと伝わってきて。
辛ぇんですよ。
30分くらいして……
終わった。
で、また
シャワー浴びる音がして。
もう、
夜中の1時半ですよ?
流石に
明日眠いだろ?
そんな
ユルユル設定の旅行なのか?
いやでもね、
こういう輩はね。
8時とか9時までぐっすり寝るんですよ。
いや多分知らないけどね。
2:00 ようやく私の時間が来る
カップルは、寝ました。
ここでね。
私は自分がここに来た目的を
果たさなければと思って。
まず、風呂に入ったんですね。
もちろんこっちの入浴音も向こうに届くわけですけど、もうあいつら寝てるし。
と思って。
またバスタブに湯を張って。
1時間くらいかけて
風呂に入り。
取り敢えず
カップルのことは忘れた。
まず、
自分の人生について考えました。
自分の今の仕事とか。
資産額とか。
考えてたんだけど。
考えれば考えるほど
不安しかなくなってきて。
どんな風に考えても
出口がなくて。
ワロスなくらい
どう考えても絶望で。
これ、
日常的に考えていることと
一緒じゃん。
日常的な絶望じゃん。
ってなって。
風呂を出たんですよ。
それで
ベッドに寝転んで。
次は、
祖父母について考えたんです。
うちの祖父母は
もう80超えてるんですよね。
で、そんなにいうほど
健康なわけでもない。
なので、5年先ですら分らないし、
10年先には、
ほぼほぼ死んでるんですよね。
私にとって祖父母の存在は
30年以上、一緒に暮らしてきた人たちで。
30年以上毎日顔を合せてきた人たちで。
その人たちが死んでいなくなってしまう、
というのは私の中でとてつもなく大きなことなんですよね。
確かにね。
ここにも書いたように。
性格的に。
または、人間的に。
理解し合うことはできない。
日常会話ならともかく
観念的な会話は
会話自体が成立しない。
くらい別の生き物レベルで、
私と私の家族は、かけ離れた存在です。
ただ。
ただ、
どんな形であろうとも
少なくとも私のことを
間違いなく愛してくれていたし。
30年以上ほぼ毎日一緒にいるから
情が凄いんですよ。
私が大人になって
実家から離れていたら
それで10年以上経っていたら
また感じ方は違うと思う。
人って基本、物理的に離れると心も離れるし、
結婚してたら
自分には愛する家族もあるわけだから。
また、そうなれば
違うと思う。
でも、私の場合、
成人してからもずっと
家にいるわけですよ。
こうなると、
家族の存在が凄く
自分の中で大きくなるんですよね。
共有し合える価値観は1つもないです(笑)
それくらい感覚的には、離れている。
でも、情がある。
もうね、祖父母といられる時間は
それほどないんです。
多分祖父母のどちらかが
死んだら
私、ブログ半年くらい休むと思うんですよ。
それくらい精神的にくる。
だって、私の中じゃ
ありえないんです、
30年以上も一緒に生きてきた祖父母が死んじゃうとか。
有り得ないくらい、
辛い。
でも、その
有り得ないが。
たぶん、
数年後に迫ってるんだ。
その覚悟が私にはなくて。
まるでなくて。
日常に追われて。
その覚悟のための思考をする暇すらなくて。
それで、
今日、ビジネスホテルに来たんだよ。
それを考えるために。
4:00 眠れない
眠れないことは
最初から解っていました。
そもそも、眠るつもりで来ていなかったので。
導眠剤も持ってきてなかったし。
19時間。
フルに使って考えるつもりだった。
5:00 カポーが起きる!!!!
ピピピピピピピピピ
って、目覚ましみたいなのが鳴ったんですよ。
で、カポー起きました。
2人が喋っています。
いや
朝の5時ですよ?
は???
ってなった。
だって、きゃつらが寝付いてから
まだ3時間半しか経ってないんですヨ!?
さすがに早起き過ぎだろ??
しかもその直後。
彼女がね。
部屋から出ていったんですよ。
入り口のドアから出ていった。
え?
ってなった。
残ってるのは
男一人。
一人でもね、咳とかしたり、唸ったりするから
男が一人でいるのは解るんですよ。
いつまで経っても
彼女は帰ってこないし、
当然あれっきり彼女の声も
聞こえない。
え?
どういうことなの?
ってなっちゃって。
色々考えたんですよ。
もしかして2人は
地方に面接試験に来てて。
彼女の面接が早朝からだった。
いや、朝5時は早朝過ぎだろ。
じゃあ、
何か旅行先でのイベントがあって。
彼女だけがそのイベントに参加?
いやいや、おかしいだろ。
男の方も静かなままで
また寝たみたいです。
?????
マジで
よくわからん。
基本カポーのこととかどうでも良かったんで何となく考えてたんですけどね。
7:30 眠くなる!!
男が起きました。
でも全然静かなんですよ。
あれだけ昨晩アホ全開だった
あの男がですよ?
静か。
普通に朝の準備してる感じ。
一方私は、
流石に眠くなってきてて。
1時間くらい寝ちゃいました (・ω<) てへぺろ
8:30 結局答えは……!?
結局ね。
数年後に来るであろう
祖父母の死は受け入れられないんですけど。
私がどうしようが
祖父母は死んでしまうんですよ。
年齢的にも、
死んでしまうんです。
だから
もう
私が祖父母に対して
できることは
私が少しでも幸せになることだな
って思ったんです。
というか、
それしかできない。
そしてそのための努力は
もう今、している。
毎日。
ずっとしてきた。
だから。
つまりは。
今やっていることを、
これからも頑張る。
今やっているように、
出来る限り働いて。
出来る限りその他のことも頑張って
出来る限り努力する
ことしかできない。
特別なナニカはできない。
これまで
頑張ってきたのと同じように
これからも頑張る。
そして、
その頑張りが自分自身で
足らなかったと後悔しないように
自分が納得できる分
頑張ってみよう。
こうすることが
私が祖父母にできることなんじゃないかなって。
これに気付けただけでも泊まりに来た価値はあったね。
10:00 すべての謎が解ける……!
そして。
隣部屋のカップルの謎も
自然と解けた。
5時過ぎの目覚まし。
ビジネスホテル。
男の空笑い。
そう、
空笑い……
もう一度
彼と彼女の
ことを考えてみたら。
ああ、
そう、
だったんだ。
(2019.4)