世界支配層・国際金融資本を考察する

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3つの著書


以下の著書を3つ読んだうえで、
見えてきたものがあり、
今回私の考えをまとめてみます。

著書①
超階級グローバルパワーエリートの実態
(最もリアルに近い書籍。執筆者はグローバリスト(超富裕層ではないが、グローバリズム側の経歴を持つ人物))
暴露書籍。


世界中の人間は、たった6000人のスーパーエリートに支配されている。

著書②
ロックフェラー回顧録
(一昔前の支配層の一人とされる、デイヴィッド・ロックフェラー氏(グローバリストの神)の自伝)
自伝。


異世界転生を地で行く。
グローバリストの鏡。

著書③
新世界秩序にNO!と言おう
保守系愛国者のかたが書かれた本)
思想書籍。


勝者は自分に不都合なルールを失くしていき(グローバリズム)、最後は自分に都合のいいルールを作る(社会主義)。
彼らが欲するものは、金では手に入らないものだ。


どの書籍も新しい知見を与えてくれる素晴らしい書籍ですが、疑問に感じる部分、不透明な部分もありました。これら3つの書籍を組み合わせて考察していけば、新しい気付きが見えてくるかもしれません。

①と②は自身の実体験を元に書かれていますが、③は主に他の記事(ニュース記事)など二次情報を元に書かれているとみられる記述もあり(アレン氏自身は国際金融資本と対立、国際金融資本を敵視する立場で、国際金融資本家を心底毛嫌いしているため、恐らくは会って話したこともないだろうし)、その分正確性(証拠)に欠けると感じます。
また②は自伝ゆえ、自身(ロックフェラー一族とその仲間)に不名誉・不利益になることはあったとしても記述しないでしょう(それでも人生の集大成として書かれた自伝であるため(執筆時で著者(デイヴィッド氏)が余命も残り僅かの年齢であるため)、我欲が薄れて打算抜きに事実を書き出しているかな?という狙いから著書を購入しました)。
①は著者自身が支配層側(グローバリスト)でありながら、その位置から見た超支配層を書かれた暴露本であるため、この3つの中だと情報の精度が最も高いかと思います。し、書いてあることも③よりは遥かに現実的で「これくらいの世界なら有り得るかも」と思えます。

超階級グローバルパワーエリートの実態①


著書①は、国際金融資本家(著書①で言うグローバリスト)が世界で最も力を持っている、という意味で、著書③の国際金融資本家(または新世界秩序)は同じ意味となっている。そのスーパークラス国際金融資本が世界を事実上支配する力を持っている、と言及しているものの、③が主張する、支配層が最終的に社会主義世界目指している、というところまでは述べていない。

スーパークラス(支配階級)

陰謀論などというものは存在しない。著者は支配階級に数多く会ってきたが、秘密結社のような組織はただの一度も見たことがない。そもそもな話、支配層は陰謀などしなくとも表立って世界を(それなりに)コントロールできるため、裏から支配する必要自体がない

私は、基本的にはこの意見を肯定しつつも(支配層は表だけで十分すぎるほどの影響力を世界に対し行使できると考えつつも)裏からもコントロールしていると思います。表立った影響力だけで十分凄まじいでしょうが、裏工作もやっている(私たち一般市民から見える景色がそのまま世界の景色ではないでしょう)。つまり、出来ることはすべてやっている、と考えます。考えてみて下さい。できることをすべてやらない、理由がない(そのすべて、の中には我々からは見えないことだってある)。

支配者に関しては、いわゆる一般的には知り得ない影のフィクサーなどがいるわけではなく、彼らは表の世界でも有名人であり、それぞれが政財界の要職に就いている。世界の支配者として度々名が挙がるロックフェラーもまた、初代ジョンはスタンダードオイルCEOであり、ネルソンは米国副大統領であり、デイヴィッドはチェース銀行(現在のJPモルガン)頭取であった。よって、世界を支配している人たちというのは、表の世界で地位も名誉も十分にある人物であり、陰に潜んではいない(一般人からは絶対知り得ない闇の権力者、のような存在はいない)、と考えるのが妥当であろう。

①で言うスーパーエリート(スーパークラス)が大統領候補選出への大きな影響力を持っている、という事柄は③で言う国際金融資本が大統領選をコントロールしている(民主・共和両党に新世界秩序の息のかかった人間がいる)、は繋がります。

スーパーエリート超階級)には、国家首脳陣(政治家と官僚)、グローバル企業トップ(メディア、金融、IT、エネルギー)、巨大ファンド、軍部トップ、巨大宗教家、他少数ではあるが各分野の超成功者がいる。

これは③では、国際金融資本新世界秩序)は、銀行家、政治家、多国籍企業CEO、資産家、非営利団体代表、となっており、大体同じような人たちであることが理解できる。

色んな呼び方があるが、同じような人たちが当て嵌まる。
・世界支配層
・超上流階級、超階級
・スーパークラス
・国際金融資本
・新世界秩序
・グローバリスト(の最上位)

スーパークラスは6000人

2008年時点で世界に(世界に対して大きな決定力を持つ)支配者は6000人。③で出てくるCFR外交問題評議会も2008年時点で、約4300人。
またブラックストーンのCEOは本当に重要な決定権を持つ人間は(つまり支配層の中の支配層、米大統領やデイヴィッド・ロックフェラークラスの人間は)世界に50人程度しかいないという。その50人は仲違いなどせず、共同して地球の富(人間含む)をむさぼるほうが互いに得であることが解っている。支配層であり、権力者同士が手を繋げば事実上世界を支配できる。
一方で、米中摩擦や、米国間でも大統領選などを見る限り、支配層同士の対立は存在すると考えられる。

著書でもスーパーエリートとされる6000人は、彼等だけで世界を動かす力を持っていると書かれている。市場原理で社会は動いているが、各セクターのトップクラスのグローバル企業は、自らの分野の市場原理を自社有利に捻じ曲げる影響力を持っている。また株式を大量に保有している彼ら(大企業)は、他企業への影響力も持つ。また、後述するように政治に介入して自社有利な政策(税制や優遇措置など)を打たせることも可能だ。そして、マスメディアに対してはスポンサーになれる。彼らに都合の悪い情報は流れず、都合の良い情報だけが流れる。政界、財界、メディアを実質的に抑えている。このようにして、権力者は庶民の生活に多大な影響を与えることが可能だ。






開き続ける、世界の格差

・100万人に1人の逸材であるスーパーエリートたちが活躍し、天文学的な報酬を得ているにも関わらず、なぜか世界から貧困がなくならず、未だ世界の半分の人が1日200円以下の生活をしている(一方で多国籍企業CEOなど、年間数億円~数千億円を手にする人間もいる)。

上と下の格差は開き続ける一方(2008年時で世界の上位数千人が、世界の富の2/3を所有している。また、著書が執筆された2007年時で世界の上位1000人は、世界の下から数えて25億人の2倍の資産を保有している)。なぜ優秀な人間が活躍出来る世の中なのに、世の中全体が豊かにならないのか? と著者は疑問を抱く(これって考えたら解るくね?( இωஇ ) ……既に十分すぎる、いや、異次元レベルの報酬(金)を「優秀な人」はもう長いこと受け続けている。天文学的な報酬だ(2024年イーロンマスク氏個人はストックオプションで約8兆円を手に入れていた)。それで全世界が幸福になるなら、今の時点で世界は(世の中の大多数の人にとって)それなりな理想郷にはなっているはず……( இωஇ ))。

また、スーパーエリートたちは、市場の信奉者で、市場に任せておけば世界は上手くいく(トリクルダウンが起きる)、と信じていた、とも書かれている(上手くいかないでしょ)。優秀な人間に富が集中すれば、経済が成長し、それにより滴り落ちた富で、万人が恩恵を受ける、というものだ。この理屈はスーパーエリートがキリスト・ガンジー・マザーテレサのような神レベルに公正な精神を持っている(公的な役割を果たす)前提でのみ成り立つ(つまり成り立たないのである。トリクルダウンは、起きません見えざる手も、ありません)。


このグローバリズムの思想は、②のデイビッドロックフェラーと同じである。デイヴィッドもまた、世界市場の実現が、そして規制なき市場で稼げるものが好きなだけ稼ぐことが、地球人全体の幸福度を上げる、という考えがあった。

ここに関しては、支配層が本心でそう思ってるかどうか分からないです。支配層でもそれぞれ各個人で考えは違うでしょうし。世間にも配慮した発言をしないと自己利益損失に繋がるゆえ、「自由主義の成長=世界の幸福」ということを建前上口にしているだけなのかもしれません。


著書には次のようにも書いています。【権力者は自己利益(自己利益につながる変革)だけに注力している】と。

……え? さっきの疑問の答え、出てじゃんッッ( இωஇ )やっぱ本質見えてじゃんッッ!
社会の方は見えざる手が勝手になんとかするだろう、と。

さらに、著者はこうも書いています。「彼らは自分(や自分の会社)が儲かりさえすれば、他のこと(一般市民の生活とか国家の繁栄とか)はどうでもいいのだ」と。

グローバリズム側(現体制側)であり、グローバリストを湛え、そしてグローバリストの世界観を肯定している①の著者ですら、現状の行き過ぎた市場原理世界に、いわゆる「やりすぎ」だと疑惑を抱いている。

著者は、現在の政策は一般人よりも遥かに多くの恩恵を大企業など富裕層にもたらしている(米国でも日本と同じように大企業優遇だ。まあ、日本が段々米国化していってるんですが)、と書いている。それは富裕層が自分の優位を保持、さらに拡大するために政治に介入し続けた結果なわけだ(そして大衆が同じようにしなかった(何もしなかった)結果だ)。

①の著者はグローバリストだが、(あの界隈に多くいると思われる)psychopathではない、「人間」に見える。でなければ、こんな本は書かないはずだ。この本の一番の価値は、支配者側である(そっち側の仕事をしてきた)筆者が、「事実はこうだった」と暴露しているところにある。


・米国の大統領選は1億ドル(約100億円~150億円程度)ないとまともに戦えない。


これは逆に、その資金が自分で用意できないなら、誰か支援者(政党へ献金)に頼ることになり、そうなればその金のある支援者(例えば大企業)からの要求を交換で受け入れざるを得ない。大企業や富豪有利な政治が進められるのはある意味至極当然だと言える。献金した存在は公表され、著書①の2007年時点で政治献金トップはゴールドマンサックス、2位以下も米大企業が名を連ねる(→こうした大企業に有利な政治が行われていることを意味する)。大統領選は庶民・大衆(一般国民)のための戦いではなく、そのバックボーンである資金提供者同士の戦いであり、勝った方の資金提供者がより豊かに(強く)なる仕組みだ。

最終的には国民投票で決まるものの、それまでの広報など様々な政治活動には金がかかり、金があるほど有利に選挙戦を戦える。

・大統領選挙に留まらず、大企業は政治に対してロビー活動を行い続けている。

企業の本文は金を稼ぐこと(それ以外のものは金儲けに+になる形でなければ絶対に成されない)。正道は市場で利益を上げていくことだが、(邪道ではあるものの)政治に働きかけ、自社有利な方向にルールを改正することでも、目的の金儲けは達成できる(そっちの方が儲かるとなれば、企業はそっちを選ぶ)。

企業からしてみれば(悪評さえ立たなければ)正道か邪道かなどどうでもよく、自社が如何に多く儲けるか?を最優先する(それが企業(資本家)だから)。そして目的(金儲け)の為には手段を問わないがゆえに、労働者(一般市民)など多くのものが犠牲となる。
※企業の都合で解雇されたり、安く非正規で使われたりする。市場原理を社会基盤にするとは、そういうことだ。だからこそ、(経済状態によって介入度を調整する)政府(国家)が必要になる。

ので、ここ(市場原理)にブレーキをかけるのが(間違っても企業の良心などではなく)本来政府(の背後に国民)の役割なのだが、その政府(政治家)が「国民の声」なんてものを聴いて優先していたら(現状)落選してしまうのだから、(政治家からしてみれば)どうしようもない。
日本もアメリカも、今の地獄を作っている理由のうちの、決して少なくない割合が、私たち自身(一般国民)にもあると思う(それはこの記事を書いた時(2021年)も同様に感じています)。この世の地獄を生んでいるのは、私たちの愚かさだ。





ガチの市場原理主義よりも、ハイブリッド型が勝る

市場原理主義が唱える、
市場に任せればそれが最も経済発展に寄与する、には首肯しかねます。実際、アメリカが正に長年に渡って生粋の市場原理主義国家(企業の利益が最も優先される、ほぼ企業に支配された国家)ですが、先ほども書いた通り国民全員から見て理想郷には程遠く、また国力の面で見ても、近年は国家先導型資本主義の中国に追い付かれてきていますし、かつては日本の日本型資本主義(平成になる迄の、グローバリズムが入り込んでくる前の日本型資本主義)にも追い付かれ、あのまま放置していたら追い抜かれていたことでしょう。自分(自社)の利益(マネー)だけをひたすら追求するアメリカの自由主義(それ以外のことは副次的にしか起こらない)は、無敵でも最強でもないと私は感じています(利益至上主義には、大きな穴がある)。

全部ヤバいけど、明らかに国が終わるのは【今だけ】の部分です。

自由主義は、全員自己利益だけ目指しています(米政治家も米グローバル企業の仲間か部下です)。自己利益追求が【結果的に】他者の幸福に繋がる、経済成長に繋がる、こともあれば、【結果的に】そうならないこともそれなりに多いでしょう(マネーゲームや詐欺も蔓延るでしょう。数多の虚構が生み出されるでしょう)。

対して、中国やかつての日本のように国家全体の力を上げていこう、という方針が国家にあれば、実質アメリカよりも強力な経済力を持つ国家を実現できるわけです(ソ連のようなガチ共産主義は市場原理主義以下ですが、アメリカのようにガチ市場原理主義よりも、中国やかつての日本のようにどちらの要素も併せ持つハイブリッド型の方が強いのでは、と私は考えます)。

※著書③では戦後の高度経済成長期の日本を、日本型社会主義、と書いていますが、日本型資本主義、とも言えます。こちらのブログ記事で示されていた見解ですが、日本は自由市場ゆえ、高度経済成長・世界第二位の経済大国になったのではなく、日本という国家自体が【アメリカ型の企業がそれぞれ自社利益だけ考える、ガチガチの市場原理主義】ではなく、【社会全体の成長を大本命の目的とする資本主義】であった、ということです。この見解は、なかなか的を得ている気がします。

ロックフェラー回顧録②


三代目ロックフェラーである、デイヴィッド・ロックフェラー。エクソンモービル、シェブロンなどの前身、スタンダードオイル社によって米エネルギー業界を席捲し(独禁法がなかった時代に市場独占によって利益を得)、巨万の富を得たジョン・ロックフェラーの孫。
ジョンロックフェラーについても勉強したいですね。恐らくは天性のビジネスマン。こういう規制が緩い段階にやりたい放題やって成果を残す、つまりブルーオーシャン戦略をしたわけです。

グローバリズム、市場原理に基づいた銀行運営


デイヴィッドはチェース銀行頭取として銀行事業改革も行い続けた。
①それまでの(日本ほどではないが)年功序列的な要素を撤廃し、実力主義、有能な人物は昇進させ、給与も手厚くした。無能な者、つまり結果を出せなかった者は降格させ、それでも結果を出せないとクビにした。ここでいう有能無能とは、金を稼ぎ出せるかどうか、で決まる。徹底した実力主義でチェースを運営していった。デイヴィッドはチェースの銀行史上、初めて個人の報酬と成果を直接結びつけ、顕著な成果を出した者にボーナスを迅速な昇給で報いた。結果、管理職や役員はみな、有能な人間(マネーを稼ぎ出せる人間)ばかりとなった。

現代、こうした効率重視・実力主義の運営方法は日米問わず多くの企業が基礎的にやっている。それを、(多くの人間がまだやっていない)この時代に先駆けて導入したのがデイヴィッド・ロックフェラーであったわけだ。グローバリズムの先駆者と言えよう。

②そして取引相手を自国(米国)に限っていた前CEOまでの方針と決別し、世界中の企業を相手に取引(資金融資)を可能にしていった(入行後すぐに役員になった頃から頭取である叔父とともに、国際化路線は推し進めてきていた)。
③事業内容も改革した。銀行は企業への資金融資が基本的な業務だ。しかし、収益源をコレのみに頼らず、様々な金融商品の販売、更には投資にも力を入れた。また、プライベートバンク事業にも注力した。経営の多角化を図ったのだ。貸付銀行から、商業銀行、投資銀行へとその形態を変貌させていった(現代で言えばソフトバンクの孫正義氏にも似ているような気がします)。
すごく……グローバリズムです。





誇り高き国際主義者と陰謀論


デイヴィッドは、自伝にて自分自身を「誇り高き国際主義者」と呼んでいる。さらには、わたしたちはみな、国際主義者になるべきだ、とも書いている。
1995年、外交問題評議会(CFR)にて、革命家カストロとデイヴィッドは会っている。カストロはデイヴィッドに握手を求め、正反対の二人はマスメディアの写真に撮られた(1949年、34歳でデイヴィッドはこの議会の理事(幹部)となっている。1970年には議長となる。~1985年まで)。

さて、

陰謀論者は、ロックフェラーが米国政治と経済に対し、いち実業家の域を超えた影響力を持ち、それを行使している、と主張する。

わたしたちがアメリカの政治や経済の制度に大きすぎる影響を及ぼしたというのがその言い分だ。なかに、わたしたちがアメリカの国益に反する秘密結社に属していると信じるものさえいる。そういう手合いの説明によると、一族の私は「国際主義者」であり、世界中の仲間たちと共に、より総合的でグローバルな政治経済構造を――いうなれば、一つの世界を構築しようと企んでいるという。もし、それが罪であるならば、わたしは有罪であり、それを誇りに思う

引用:ロックフェラー回顧録 517ページ
(↑皮肉的な発言ともとれる)

1976年。
世に出版される本には、ロックフェラー家を非難するものもあった。ロックフェラーは資本家の欲の権化、悪の根幹として描かれるのだ(マルクス主義者や反体制派による主張)。デイヴィッドはこうしたロックフェラーが裏の支配者といった論調を、ほとんど作り話だと否定している。これには自分だけでなく、家族にとっても悩みの種であった。この手の出版物は、ロックフェラー家(デイヴィッドの子どもたちを含む)の人々を実際に取材、インタビューしたのち、そこに自分たちの都合のいい物語を付け加えて本にした。

1969年頃。
アメリカでも日本同様、多くの若者が反体制に傾き、学生運動が盛んになっていた。主な理由として、長引くベトナム戦争や国内外の激しい貧富の格差問題、人種差別などに不満を抱く学生たちが多くいた。ハーバード大学、コロンビア大学など様々な大学で学生運動が行われており、デイヴィッドは(資本家側のボスとされて)非難のやり玉に挙げられることもあり、身の危険を感じて(急進派の学生たちから直接的な危害を加えられる可能性があった)大学のスピーチを断ったこともあるという。これらの背景には共産主義的な思想もあり、自由主義を理想とするデイヴィッドとは相容れない部分であった。






分析して理解していこう。
陰謀論者の主張は大約すると、(ロックフェラー(のような一部の者たち)が)グローバルな世界構築を目指し、その一部の者たちで世界を征服しようとしている、ということです。そして、デイヴィッドは国際主義の部分に関しては、それを認めています。そして、自由市場により世界を一つにする(グローバルな世界の構築)、ということもまた認めています。これは発言で認めているだけでなく、デイヴィッドの人生を賭けた行動(グローバリズム)そのもので、認めていることになります。
人間、発言では嘘も付けますが、行動には(100%ではないけど発言よりも遥かに)本音が出ます(言っていることではなく、やっていることがその人の正体、という有名な言葉があります)。

ただ、こういう見方も出来ます。
現時点でロックフェラーが既に世界を掌握しているのであれば、こんな努力する(「必要」がある)でしょうか? デイヴィッドは人生賭けて(それなりの労力をかけて、挫折はないが艱難辛苦を経て)チェースを国際銀行にする「必要」があったわけで…)。つまりロックフェラーは、世界を掌握するほどの権力は到底持っておらず、まだそれを手に入れるための道半ばにある、と捉えるのが適当ではないか? と私は見ます。

また、デイヴィッドの兄ネルソンは、人生の目標として米国大統領を目指していますが、ついに念願の大統領にはなれず、副大統領の地位に甘んじました。この屈辱は元々横暴だったネルソンの性質をさらに加速させ、他の兄弟の事業に進出する、それまで温和に進んでいた財産分与の自己配分を多く主張するなど、その後の兄弟関係に不和をもたらしています。特に長兄であるジョンとネルソンの関係はすさまじく悪化したようです。

陰謀論では当然米大統領よりもロックフェラーが上に位置しているハズ。なのになぜ、ネルソンは米大統領になれなかったのでしょう。つまり、そこまで超法規的な力はロックフェラーにもない、と見るのが妥当と言えませんか?( இωஇ )

ここまでを総合すると、陰謀論者が唱えるほど強大な支配権力はないが、少なくとも現状世界に存在する権力者の中では最高クラスの一人(スーパーエリート)であるし、デイヴィッドの思想ともかく行動は、陰謀論者が危惧する1つの世界(市場原理・自由市場により世界統一)に向けられている、という風に受け取れた。

陰謀論者の主張
・ロックフェラーはグローバリストである→当たっている。本人(デイヴィッド)も「言動」で認めている。
・ロックフェラーは世界を支配する一人であり、世界支配を目論んでいる→ここはデイヴィッドは否定している。目論んでいるかは(デイヴィッドの真意までは)分からない。が、彼の理想世界(地球が1つの市場)になれば事実上支配者になる(なってしまう)と私は考える。一方で、ロックフェラーの世界に対する支配力自体に関しては、陰謀論者が想定する(世界を掌握しているレベル)より大分低いと私は見る。


子ども時代に祖父がアメリカの村を1つ買い占めて自分の村にしたりはしてるけど……(祖父はその村を含む14平方キロメートルの土地を買い占めたと自伝に書かれている(東京ディズニーランドが大体0.5平方キロメートル))。

デイヴィッドは世界の貧国(発展途上国)は共産的な独裁政権によって作られるもので、そこに自由市場が入り込めば経済は発展し国家は豊かになり、世界から貧困は消えていく、と考えている(そんな簡単にはいかね~だろ^^;)。





デイヴィッドは、いわゆるポピュリストポピュリズムを嫌っており、彼らはグローバル化(ヒト・モノ・カネの国境を越えた自由な移動)と市場原理ゆえにもたらされた富(現代の文明)、そしてデイヴィッド自身が行ってきた国際活動によってもたらされた影響を丸ごと無視している、とも書いており、これに関して一定の理解はできます。

市場原理が文明が成長させた側面は大きいと、私も考えます。しかし、社会として成熟するためには市場原理「だけ」ではダメです。私は競争は一定のルールの上に存在しなければならないと考えます(市場原理の世界では、勝った者は勝った分だけ有利な立ち位置で闘えるから)。デイヴィッドが言うように、自由経済・グローバル化=パーフェクトな善(世界)、とは私にはとても思えません。
市場原理だけで理想社会がもたらされるなら、マルクス前の時代に実現していたはずです。

一方で、デイヴィッドは政府の市場介入を100%反対していたわけではないとも書いています。不況で総需要が不足する場合(つまり国民に金がない場合)、政府が有効需要創出(仕事を創出して、それを介してお金を配ることを主にここでは言う)必要性があると記述している。

ただし、デイヴィッドはケインズのいう遊休設備を無駄とし、遊休設備を活用するために政府が仕事を創出することを肯定していない。

私はこの考えに一部賛成する(デイヴィッドの回答とはズレるけど)。遊休設備=無駄=活用されなければならないもの=その分だけの仕事を創出、という決めつけ(固定観念)……1か0かみたいなやり方は否定する。

そもそも、仕事の正体は単なる供給であり、供給需要を埋めるためにあるもの(何かしらの必要を埋めるためのもの)であり、この需要の中には、金がない=需要がない(現代日本の問題)、もあれば、お金はあるけどその供給はもう満たされているから要らない、という意味で需要がない場合もある(文明が進み、供給が自動化してくれば普通はそうなる)。

この結果、供給が(機械の自動生産で)満たされ需要がなくなり、その結果、遊休が生まれているのだとすれば、そこに(無理矢理)仕事を与えることは、穴を掘って埋める作業(つまり、いわゆる無駄な仕事、何の意味もない仕事)になる(一応付け加えておくが、ケインズ=穴を掘って埋める、ではない(その思考は短絡的)。その作業の過程で非常時に対する技能が上がる、または技能を維持できる場合……建築業や自衛隊とか。そういう仕事もあるけど、そうじゃない仕事(必要な分だけ必要を埋めればそれで十分な仕事)も確実にあるわけで。ここも分けて考えないといけない)。

※この問題に関してはまた専用記事を書き、掘り下げて考えてみたいと思っている。






また、デイヴィッドはアメリカが世界のリーダー・警察として国際問題を解決し、世界各国を自由主義のもと導き続ける(共産主義からの脱出、民主資本主義化、グローバルな自由市場の導入)役割と責任を負うべきだ、と語っています。

著書③の知識を踏まえると、自由主義は最終的には世界政府の流れになると考えます。自由主義で自由市場の王になり、その世界にはもう国家の枠組みはない(そうしていく(国家という規制を破壊していく)のが自由主義)。となるとその王(市場原理の勝利者である一部の勝ち組)が世界を管理する(世界政府)。


世界の有力者が集うビルダーバーグ会議陰謀論者の目の敵にされるが、デイヴィッドがいうには、そのようなものではない(陰謀論者が妄想するような会議ではない)、とのことです。そこに集う有力者たちは一枚岩ではないし、そこで何かしらの(世界的な)決定がなされることはほぼなく、議論の段階で終わる、と書いています(コレは反論として微妙;)。1954年に始まったビルダーバーグ会議は年1回で世界各地の会場で行われており、2023年まで途切れることなく続いている。


デイヴィッドがグローバル化を目指すうえで、保護貿易はネックでした。よって、デイヴィッドは自由貿易を支持し、保護貿易主義とも戦っています。
1967年、アメリカの保護貿易主義が復活しつつあると政府筋から警告された。このままでは二次大戦後、長年にわたり経済拡大をもたらした国際貿易制度が崩れるかもしれない。これに対し、デイヴィッドは国際貿易維持に尽力を尽くしたが、保護貿易派の力は今だ存在し続けている。

デイヴィッドが創設を働きかけた三極委員会(国際社会における日本・北米・欧州(三極)の協同を促進する為に設立された非営利の政策協議組織)も、ビルダーバーグ同様、世界政府樹立を企む組織として陰謀論者等から疑いの目を向けられる。しかしこの組織は国際社会の橋渡しのための組織であり、主に日本を国際社会に招き入れるために作られた(名前的にね)。よって日本人も多く委員になっている。

1972年、デイヴィッドの別荘にヨーロッパ人4名、日本人5名を集めた。日本人の参加者は、大来佐武郎宮澤喜一(後の総理大臣)などがいた。他にもその後、労働組合の指導者、大企業CEO、与野党政治家、著名な大学の教授(経済学者)・学長、非営利団体の会長などをアメリカ、ヨーロッパ、日本からメンバーとして加えた。メンバーとして、ジェームズ・アール・カーター、ウォルター・モンデール副大統領、サイラス・ヴァンス国務長官、ハロルド・ブラウン国防長官、マイケル・ブルーメンソール財務長官、ズビグニュー国家安全保障担当補佐官など。ジェームズ・アール・カーターは後の米国大統領なので、裏からデイヴィッドが政治を支配していると邪推された(と言っている)。のちの(新自由主義政策をアメリカで行った)レーガン大統領も、三極会に理解を示していたと書いてある。





デイヴィッドとしては「グローバルでの市場原理主義=全人類の理想郷」なわけで、それを目指して各国の要人と密にコンタクトを取っているのを、人々(主に陰謀論者)から「世界支配を画策している」といわれるのが嫌なわけですね。なので本人は「いやそういうつもりはない。三極会やビルダーバーグはそんな邪な集まりではない」と怒るワケです(ま~もし世界征服を画策していても、世界征服を画策しているよとは公言はしませんwそれが実現する日までは。だから、デイヴィッドの本心は分からないです)。

ただグローバルでの市場原理主義=全人類の理想郷」←コレって(事実上)世界支配しないとできない(と考える)から、同じ意味っちゃ同じ意味じゃないかな?って私は思ってしまう。極限までいった市場原理社会では、市場を管理する政府機関(国家)がないか、あっても形骸化しているから、市場の最強者以上に強い存在が世界にいないワケ。となるとその存在が世界のルールを作る。

後は著書には名前が出てこないが

これ(スイスのダボス会議)も有力者会議として有名。




デイヴィッドロックフェラー
真のグローバリストだ。

アメリカからラテンアメリカへの働きかけに関わった際

わたしたちは同盟の焦点となる新たな方向づけの基礎を提案して、”民間の企業と投資”の役割を強調し、”社会の開発と改革の前提条件として経済情勢全般を向上させること”を最も力説した。そして、外国為替管理、インフレ抑制、赤字予算を排除し、”企業に制限を加え、地元の高コストの独占企業を支えているその他の管理網を撤廃”するよう西半球中の政府に勧めた。

引用:ロックフェラー回顧録 544ページ

デイヴィッドはインフレ財政赤字、そして国家という枠組み(資本家を縛り、抑えつける存在)を敵視している。

真の経済成長の基礎となるべきは自由企業制だ。また、「アメリカは役割を変えなければならない。短期的なその場限りの経済政策と、全面的な社会経済改革の推奨とを併せて強調する役割から、市場の自由こそが、自由で繁栄している社会の支えとなっていると認知されている環境を作るという長期的目標に最も力を注ぐ役割へ……」。

引用:ロックフェラー回顧録 544ページ

デイヴィッドは、共産主義的な思想の他、多くの規制とも戦った。自国の規制。業務展開した他国での規制。それらを失くし、自由な市場での銀行業を目指した。

で、1970年代以降アメリカのレーガン、イギリスのサッチャーが推し進めた新自由主義政策のもと、デイヴィッドが望んだグローバルな世界に世界全体がなってきた。デイヴィッドもそれに大きく貢献した一人であっただろう。

結果、どうなったか。

グローバリズム・市場原理主義・新自由主義は行き過ぎたマネー主義拝金主義)へと変貌し【世の中金がすべて】になり、大きな問題をもたらしている。

デイヴィッドの言うようにこれらが成された先に全人類の幸福があるとするのなら、なぜ今、人類は幸福になっていないのだろう?(世界最高の先進国アメリカですら、貧困にあえぐ人が大勢いる(私は、アメリカは資本主義やって順調に経済成長してはいるものの、アメリカ国民全員のため、の政治がなされていない、と考える(資本家グローバル企業)のための政治を、やってるから))。


アメリカも、日本もそうだが、社会(国家)を変えるには、支配層が変わる、というより、私たち国民一人一人が変わっていかなければならない。なぜなら、支配層や富裕層は、別に今のままの社会でも十分満足しているから、変える必要自体がない(むしろどちらかというと今の社会を維持したい)のである。

これまでのデイヴィッドの言動、そして今回のソ連、中国、中東などへの働きかけから、デイヴィッドやロックフェラー家の実力についての私の感想を述べる。ロックフェラー家は、お金(米ドル)、という意味でならもうこれ以上やることがない、という立ち位置にいる。

しかし、世の中のすべては米ドルでは買えない。お金は結局国家の暴力(を成り立たせる供給能力)を背景にした数字でしかないため、東側諸国のように別の暴力を持った存在相手には同様に機能しない。ここを征服するほどの力はロックフェラー家にもないとみる。だからこそ、これを成すために、デイヴィッドは人生を懸けて(共産圏を自由市場化するために)奔走したのではないか。

東側諸国が自由市場となれば、【米ドル】の傘下に入る(=世界が米ドルの傘下になり、米ドルの支配者(の一人)であるロックフェラー家の傘下になる)。最終的には通貨も世界通貨として統一させる(1つの世界にするならそういう方向になる)。こうなれば、ロックフェラー家(及びそれに類する市場原理の支配者たち)は世界支配が可能となる。


そうなった世界は、著書③で言われるように、社会主義世界、である。





寄付と慈善事業について


ジョン・ロックフェラーをはじめ、
ロックフェラー家は代々慈善事業(慈善団体・非営利組織)への寄付を行ってきた。
このほか、世界的富豪(例えばアンドリューカーネギーやビルゲイツなど)も
慈善事業を行っている。
前に書いた慈善事業(非営利団体)への影響力拡大のほかに、
税金対策節税)があるのではないか。
資産をそのまま相続したり、資産管理会社を設立したりすれば、税金がかかってしまう。
だから慈善事業先に資産を寄付という形で課税なしで資産を有効活用する。
慈善事業団体に影響力を持てるし、なんならその慈善事業団体自体を自ら作ればいい(事実、ロックフェラーは多くの慈善非営利団体を立ち上げている。自分の所有する団体だ)。
これがデイヴィッドの言う、寄付の技法、ではないか?





デイヴィッド・ロックフェラーが影の支配者かどうかは分からないが、ここまでを見てきて、逆に分かることもある。それは「市場原理主義自由主義)」か「共産主義」かのどちらか一方に極端に偏った社会は、その社会の多くの人にとって好ましくない社会となる、である。なので問題は、どのあたりで折り合いをつけるか? となる。そして、どちらか一方だけを支持している人がいたら、その人は歴史の教訓を学んでいない人、と言える。


新世界秩序にNO!と言おう③


著書③を考察していきます。

アメリカと中国(とロシア)の関係


私は著書にある、
アメリカ自由主義国家)と中国((一応)共産主義国家)の関係に注目しました(著書では国際金融資本共産圏は繋がっている、と書かれている)。現代米中は、世界の二巨頭で、世界覇権を争っている関係でもあります。


著書を読んだ上で考察すると、かつてのソ連・今の中国といった共産国を誕生させた(手助けした)のが米国、つまり国際金融資本だということです(ただし、著書にはその論拠を示す記述はない)。例えば中国共産党の覇権が誕生する時、毛沢東と蒋介石(中国国民党)が覇権をめぐって争いました。ここで毛沢東を裏から支援をし、1949年に蒋介石を台湾に追いやり、毛沢東に中国の支配権を握らせ(中華人民共和国を建国させ)たのが国際金融資本だという(中国共産党自体は1921年に結党)。よって、著書にある「国際金融資本共産側は繋がっている(正確には、過去繋がっていた)」の記述には(こう考えると)頷けます。





しかし、国際金融資本にも誤算があり、中国の経済的成長を伴い、中国共産党は自分たちの言うことを聞かなくなり始め、それは2013年習近平が最高指導者に就任後加速。

物質文明、政治文明、精神文明、社会文明、エコ文明(環境保護や自然との調和に配慮する文明)を全面的に向上させ、総合国力と国際影響力でトップの国になり、中華民族を世界民族の林に屹立(きつりつ)させ、国防・軍隊の近代化を完成させ世界一流の軍隊にする

引用:https://kotobank.jp/word/%E7%BF%92%E8%BF%91%E5%B9%B3%E6%80%9D%E6%83%B3-1834000
現在は中国共産党(中国)は国際金融資本(アメリカ)と並ぶほどの力を付けてしまいました。「もう俺ら国際金融資本に匹敵するくらい強くね?」ってなると中国共産党国際金融資本の言いなりにはならず、独自で版図拡大からの最終的には世界征服を目指します。それが、現在なのではないでしょうか?

現在の世界は、国際金融資本(米国側)と中国共産党(中国側)の二大勢力が拮抗しているのではないかと思います。

しかし、このかつてのソ連中国共産党が自国の覇権を取る際に、国際金融資本が干渉したのか(実際はどうなのか?)、また干渉したとしたらその【程度】はどれほどだったのか、は正確には分からないです。著書をそのまま信じたりは出来ないので。
一方、現在の米国と中ロ、そしてデイヴィッドの自伝を見る限りは、仲良しこよし、もしくは主従関係とは言い難く、互いに一定の溝と距離感があるように受け取れます。



1945年 第二次世界大戦が終わる
1946年 中国の覇権をめぐり、毛沢東と蒋介石が対立
1949年 毛沢東率いる中国共産党が蒋介石を破り、中華人民共和国が樹立。






新世界秩序とロックフェラー


新世界秩序にNO!と言おう、でアレン氏は新世界秩序社会主義を目指すと書いてある。そしてその(国際金融資本の)リーダーはデイヴィッド・ロックフェラーだと。

一方、ロックフェラーの回顧録では、次のような記述がある。デイヴィッドは大学にて経済学を学ぶ。そこで、対立するケインズ派とシュンペーター派を目にした。ケインズは「時と場合に応じて」市場には政府介入が必要不可欠であることを説き、シュンペーターは社会は市場原理に任せるべきで、政府介入は統制社会に繋がる恐れがあると警鐘を鳴らした。



そして、概ねデイヴィッドはシュンペーター(市場原理)を支持し、ケインズ(国家の介入)を否定している(僅かに理解は示しているが、その割合は小さい)。実はここはアレン氏と同じなのだ。

双方の書を拝読した私の感想ではあるが、自伝を読む限りデイヴィッドは著書①で描かれている典型的なグローバリズムの信奉者であり、社会に関しては見えざる手トリクルダウンが機能すると信じており(本音はわかんねーけど)、著書③でいうようなその先に社会主義世界を計画している、ようには見えないのである(そこまで考えているようには見えない)。

単に、市場原理の世界でトップに立ちたい。という野望だけが脳内に存在する。その為に共産圏自由主義社会にしようとしている(これは本人が言動で示していること)。

国際金融資本と中国共産党についての考察


以上を踏まえた上で、支配層について考察していきます。

暴力と通貨


世界支配のキーワードは2つ「暴力」と「通貨」と考えます(優先順位はもちろん、暴力>>>通貨です。)。(資源と供給に裏付けられた)暴力はすべての裏付けになるので絶対に必要です。

次に(暴力による支配が成り立った次の段階で、更にそれを強固にするため金融の統制が開始される)通貨。

通貨(貨幣)は単なる数字ですが、(租税を行い、罰金を取ることで)暴力の上で人をコントロールできます(これらに反すれば暴力による制裁(逮捕)が待っているため、みんな強制的に従います)。

また、副次的な効果で洗脳性もあり、例えば日本人の多くは通貨の裏側に暴力(という(資源と)供給)があることなど夢にも思わないでしょう(日本人の殆どは脳内金本位制度なはず)。つまり、お金自体に価値があると思っている。第一は暴力ですが、その次の段階に行くと、マインドコントロールでも多くの人間が操れるのです。

図にすると
資源・供給→(裏付け)→暴力→(裏付け)→通貨
この仕組みで貨幣社会(現代の人間社会)は出来ていると私は考えます。

私がよく言っている、社会価値の本質は「資源」と「供給」(2019年にこの考えを知り、2020年のコロナで実感しました)。これは人間社会の真理(事実)で、どうやっても覆せません(未来、これらが自動で出現するようになった場合でも、その自動で出現させる仕組みを作ったのは古人の供給であるからです))。通貨(税制や金融システム)云々はこの次の段階として存在し、供給の循環を良くさせる(これもまあ)供給として存在します。

※ただ、事実と違い現実は、私たちの妄想の上にでも成り立つので、ひと味違う…( இωஇ )





中国共産党の世界戦略


世界で二番目に力を持っていると思われる、
中華人民共和国の首脳陣、中国共産党
彼らは、中華人民共和国の共産党員であり、中国人です。

中国に於いて、ヘゲモニー政党である
中国共産党は一党独裁制を敷いています。
中国は次のような国家であると考えられます。

一党独裁制(中国共産党員が、国家の管理者(王様))
国家型資本主義(国家が先導し、資本主義の基本に則り投資をして経済を発展させていく。中国式社会主義とも言われる)
元々はソ連と同じ生粋の共産主義体制だったが、1980年代にソ連の凋落を目にし、(実質資本主義に)方向転換したとされる。
・(一応)自由市場。飽くまで国家の下に位置する(民衆よりも絶対的に国家が上)が、人民間での自由市場が存在する。富を平等に配る、共産主義のようなことはしていない。共産党という絶対支配者がいることを除けば、アメリカや日本と同じ市場原理で中国社会は動いている。


このような中国(中国共産党)が世界覇権を目指すとなると、どのようなやり方を取るか? 恐らく現行体制のまま、支配区域の拡大を行うと思います。最初は、もう既に中国共産党の管理下に置かれてしまった、香港。次に台湾。そしてアジア近辺の諸国。へと共産党独裁体制をどんどん外側に向けて広げてくるかと考えます。

もちろん、大国でありライバルであるアメリカや、その他将来的なライバルになり得る国家に対抗して、(主に国家主導で)経済成長し、文明を、それに伴い軍事力を向上させていくと考えます。






国際金融資本の世界戦略


現代世界で一番力を持っていると思われる、国際金融資本
資本家から銀行家、政治家、官僚、ほか様々な職業を持つ世界の超上流階級の人間。アメリカ人が多いと思われるが、特に国籍・人種にはこだわらない(米大統領も必ずしもアメリカ人の白人男性でなければならない、ということはない)。
これは、中国のように一国による世界支配を目論んでいるわけではない為、上よりもややこしくなります。

アメリカを世界最強の国家にする、というよりも、世界中を1つの市場にし、そこでの市場競争で勝つ、と言ったことが目的であるように見えます。現時点でグローバリズムは大方完成していますが、共産圏や中東にまでは浸透し切っていません。これを浸透させ、国境を失くし、抵抗勢力(自由主義じゃない勢力)をすべて駆逐し、世界を1つ(の市場)にします。


デイヴィッドはここまで言ってませんが、最終的には国家もなくしていく方向が好ましいのではないでしょうか(しかし、当然国家主義者ほか、一般国民などは、様々な国の人々と共生することを問題に感じます。支配層は居る世界が違うので、例えば移民がどれだけ入ってこようが(自分の生活圏までは浸食してこないので)大したダメージはありませんが、一般国民は生活圏が脅かされる(リアルな共生となる、そして労働市場でも競争させられる)ため、たまったものではありません。よって、これらの(被害を受けた人々の)抵抗を受けるため、国境のない世界を実現することはなかなか難しいでしょう(とはいえ、100年前に比べて別世界と思うほど国境の垣根は薄れた。グローバル化は長期で見れば順調に進んできた。この流れがこのまま続くかどうか……)。

世界を一つの市場にしたい理由を考えてみる。
1つめが言わずもがなグローバル企業の利益拡大。
2つめが、その方が
万人により良い世界が出来るとグローバリストが信じていること。
……ただしこれはどうも建前に見える(笑)
3つめは、世界を統一した方が管理(支配)が容易くなり、自分たちの支配権がその分だけ大きくなること。
だと考えられます。今ならアメリカを拠点とする国際金融資本は、アメリカ他先進国、次に途上国、と支配力が弱まり、最後の砦である共産圏や、中東などではその影響力が低いです。
この状態を打破したいはず。

グローバル路線を突き進んできたアメリカ(の後ろにいる国際金融資本)。このまま世界が1つの市場になるならそれでOKだったんでしょうが、問題が出てきました。国家先導型資本主義に移行した元共産圏の中国(中国共産党)が予想以上に強くなってきた。このままグローバル路線を続けていては世界覇権(現在のアメリカの地位)すら危うい(米国民(一般国民)もグローバル化に不信感を覚えている)。ので今、国家主義に傾いたりフラフラしているのではないでしょうか??





世界通貨と、世界征服

(ここに著書③の知見を加えると……)

中国共産党ではなく、国際金融資本の世界征服ルートで書きます】

世界中が自由市場になれば、各国の通貨の存在が邪魔になってくるはず(それを発行できる政府+中央銀行も)。為替なしに取引が出来た方が良い(通貨は一括管理出来た方が良い)。

通貨は、
自分たちだけが発行
出来た
(自分たちだけに通貨発行権がある)
方が良い。


てことで、世界通貨が望ましい。

ところで、ビットコインはいわゆる世界通貨、と言われることもあるが、通貨としては大きな欠点が2つある。1つ目が発行上限である。これによりゴールドと同じレベル(金本位制)になる。2つめが国家のような大きな力による裏付け(権力(最大暴力)による租税や罰金)を持たない事。つまり、ビットコインはみんなの脳内知名度だけで今の価格を保っていることになる。

ということは、逆に考えたら、この2つの欠点を克服させればいい。
世界通貨(のようなもの)を作るとしたら、世界政府世界銀行、と名の付くような、EUでユーロを管理する欧州中央銀行のもっと大きなバージョンの組織が必要になる。
③では国連やIMFがそれの下地となる組織、とされている。

米ドルがゆくゆくはそれ(世界通貨)になることも可能だと(私は)考える。実際、弱小国家では(内乱や過度な供給不足で)自国政府が信用できない場合などは、(米国の信用(供給)がある)米ドルが国内通貨として流通している場合がある。これを、世界に広めていくのだ。何をもって? それは、強制力(軍事力(を支える供給力))で。最終的には世界政府軍の暴力で、世界人から世界通貨で租税できるようにする。

世界に米国と日本しかなかったら、日本円を廃止して米ドルを日本の通貨にすることはもう可能だろう。この世界は、「より強い暴力」さえあれば、何でもできるのだから……。





もちろん、米ドルではなく、全く新しい形の世界通貨を造ってもいい(租税などの裏付けを権力(暴力=供給)が持たせれば、通貨自体は何でもいい(単なる数字なので))。
さっきから何度も供給、という言葉が出てくるが、この供給は=私たちの社会、です。

この先、まあ例えばの話だが(現状からはあまり考えられにくいが)、もし米国や中国など世界の列強が協調路線に走り、自由市場路線で世界を一体化、統一化する方向に動き、世界中の先進国が通貨を統一しても何ら不都合がない、という状態まで世界を持って行ければ、あとは新通貨を発行し……例えば先進国連合通貨として、それを先進国で使い、後はじわじわ圧力をかけて新興国などにもそれを使わせていけば、最後にはそれが世界通貨になり、そこを管理するのは、各国の政府が連結した世界政府、という団体になり、そこを治めるのは(管理するのは)、市場原理での勝者(国際金融資本)とその仲間の政治家と官僚、となる。

世界通貨を発行できるのは、世界銀行だけ。
世界征服の完了である。

実現性としては、国家先導型資本主義によって肥大化した中国(中国共産党)が、国際金融資本の望む自由市場からの世界征服ではなく、中国一国による世界征服を狙っているため、互いに対立し合い、現状スムーズに進むとは思えません。









中国共産党国際金融資本も、
目的は世界征服です。

中国共産党はそれを
中国という国家がトップに立ち、
それ以外のすべての国を支配下にします。
中国共産党員がBOSS

国際金融資本は、
国際金融資本がトップに立ち、
1つの市場になった
自由主義世界を支配下にします。
グローバル政財界のトップがBOSS


その光景はどちらも、傍から見ると、
社会主義世界、というわけです。

世界中の人間は、たった6000人のスーパーエリートに支配されている。
異世界転生を地で行く。
グローバリストの鏡。
勝者は自分に不都合なルールを失くしていき(グローバリズム)、最後は自分に都合のいいルールを作る(社会主義)。
彼らが欲するものは、金では手に入らないものだ。














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